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宣言解除の飲食店は今 「人の動きこれから」「まだ感染怖い」

 県の休業・時短営業要請解除から20日、県内の緊急事態要請解除からは10日余りが経過した。石巻市内は週末を中心に車の往来が増え、街なかを歩く人の姿も戻ってきた。安倍首相は25日、「流行をほぼ収束できた」として全国の宣言解除を表明したが、外出自粛で最も影響を受けた飲食店や宿泊施設の現状を尋ねた。【熊谷利勝】

 県内の宣言は14日に解除されたが、県をまたぐ移動は控えるよう呼び掛けられている。県外からの利用が多かった石巻グランドホテルは、宿泊客が減少したまま。宴会の予約もほとんどないという。

 一定の要件で屋内の催事ができるが、倍の広さや人と人との間隔が必要。間を開けてテーブルを囲むと話が聞こえにくく、大声になる心配がある。常務取締役の小野寺夢津子さん(60)は「恵まれている方であり、ソーシャルディスタンス(社会的距離)が取れないところは大変と思う」と想像した。

 6月からはレストランでの企画を予定。食材を調達している地元生産者に貢献するためだ。小野寺さんは「本格的に人が動くのはこれから。最大限に感染対策し、何かしらしないと」と話した。

 石巻市大街道南の中華料理店「北京大飯店」では宣言解除後最初の日曜の17日昼、かなりの客があったという。家族経営で、店内飲食を再開するまでは弁当販売でつないだ。同店の山本悠子さん(76)は「安く弁当を販売したことで、再開後に今まで利用したことがなかった人にも来てもらえた」と喜ぶ一方、「安いイメージが定着しないか心配」と語った。

 石巻市恵み野の「鳥勝+(ピュウ)サルーテ」も休業などの要請後、テークアウトを開始。6月から店内飲食も再開するつもりだが、オーナーシェフの阿部喜彦さん(58)は「すぐには客が戻ってこないだろう」と予想する。

 4、5月の売上は80%減り、県・市の休業協力金や国の持続化給付金を申請。阿部さんは「自分は持ち家だが、借りて店をやっている人はもっと大変だろう」と気遣い、「コロナが収束し、元通り皆が喜んで食事できるような支援を」と願った。

 月内は夜の営業を控える飲食店は多い。利用者の方にも「店を応援したいが、まだ感染が怖い」「人目もあり、酔って街なかを歩ける状況でない」、そんな微妙な声が聞かれる。


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