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「ツーブロック」解禁

矢本一中 生徒主体で校則見直し

 石巻地方の中学校の多くで、生徒による校則の見直しが行われている。東松島市立矢本第一中学校(平塚輝校長・生徒464人)は頭髪項目に対し、生徒会で校内アンケートを実施。同会と各学年代表、有志による委員会で染色や脱色、パーマの禁止はこれまで通りだが、ツーブロックの禁止などの記載をなくし、生徒の主体性を尊重して「時代に合わせた爽やかな清潔感のある髪型」に変更した。

 石巻地方での校則の見直しは昨年度から活発化し、矢本一中は前生徒会長の雫石明歩さん(3年)が公約の中で見直しを掲げ、校内アンケートを実施。校則の意義や順守する理由、髪型に関する項目を変更するべきかを問う内容で、タブレット端末を通じて全校生徒に配信した。

 新入生を迎えた4月も同じ内容でアンケートを取り、9割以上が回答。ツーブロックや整髪料の使用許可を求める声が多かった。ツーブロックは襟足や耳上を短く刈り上げ、髪のブロックを2つに分けるカット方法。校則には「ツーブロックやモヒカンなど部分的に長くするような髪型は避ける」とあるが、その理由やいつ制定されたものなのかは判然としない。なぜ校則に反するのか、疑問を持つ生徒も多かった。

時代に合わせた学校作りへ

 6月ごろ生徒会執行部、生活委員長、各学年や部活動の委員長らで校則改訂に向けて委員会を結成。生徒主体の運営だけに対等な立場で話し合うことで脱色や染色、パーマの許可を強く求める生徒もいたほか、時に議論が紛糾することもあったという。

生徒会と有志が校則見直しを行った

 ここでの教師の出番は最低限の助言程度とした。生徒指導主事の浅野伸一郎教諭は「大人が口を出し過ぎると生徒主体の委員会でなくなる。アンケートの集約や教員会議への報告などにとどめ、過度な干渉は控えた」と生徒の意思を尊重した。

 委員会の決定に基づき、8月22日から1カ月間、ツーブロックと整髪料の使用を試験的に許可した。事後アンケートによると、ツーブロックは97%の賛成があったが、整髪料の使用は意見が分かれた。この結果を受けて委員会はツーブロックを解禁、整髪料は無香料のものに限り使用を認めるが、校内への持ち込みは禁止する方向でまとまった。

 頭髪項目は従来、男女別で計5項目の細かい記載があった。男子はツーブロックや長髪の禁止、女子は肩に髪がかかる場合は黒、紺、茶の髪ゴムで結ぶなどであり、それらをまとめ「生活や学習に支障をきたさない、時代に合わせた爽やかな清潔感のある髪型」と改訂。生徒の主体性に委ねた。

 秋に新しく生徒会長に就任した尾形柑南さん(2年)は「先輩の取り組みを引き継ぎつつ、服装など別項目も改善していきたい。声を聞き、過ごしやすい学校にしたい」と話していた。【泉野帆薫】


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