見出し画像

小中一貫の新校舎完成 女川町2学期から供用 ICTに力 屋上にプール

 女川町の堀切山エリアで整備が進められていた施設一体型小中一貫校「町立女川小中学校」の建設工事が今月15日に完了し、備品搬入など引っ越しに向けた移転作業が進められている。女川小・中学校は8月1日から石巻地方で最も早い夏休みに入るため、現校舎への登校は7月31日が最後。新校舎落成式と供用開始は2学期が始まる8月23日に行う。【山口紘史】

 一貫校の整備は東日本大震災の影響による児童生徒数の減少を踏まえ、現在の女川小と女川中を移転配置。高台となる堀切山エリアの町役場南側に校舎を新設した。鉄筋コンクリート(一部鉄骨)造4階建てで、延床面積約1万3600平方メートル。昨年1月に着工し、総事業費は53億5400万円。国の復興交付金27億4700万円や中東カタールからの支援金8億6800万円を充てた。

 校舎は小学校と中学校の教室を左右に分け、中央部分に共有空間を配置。特別教室や体育館など利用頻度の高い教室、施設は2室ずつ設け、全教室にエアコンも設けた。情報通信技術(ICT)に力を入れ、各教室に映像設備、メディアセンターには大型プロジェクタを整備。2階メモリアルコーナーには、旧小中学校の思い出の品を展示し、3階の外部にはテラスを設ける。

女川小中一貫校が完成 8月23日に落成式

町役場南側に完成した施設一体型小中一貫校「町立女川小中学校」

 約1万600平方メートルのグラウンドは、安全面を重視した人工芝で、遊具などを置く区画は天然芝を敷いた。屋上のプールは全学年が利用できるよう、水深65―120センチメートルの構造とした。

 新型コロナウイルスの影響で、海外からの備品や資材が納入されず、工期の遅れも懸念されたが、作業員は土日返上の急ピッチで作業にあたり、今月中旬に建物の完成にこぎ着けた。新校舎落成式は8月23日だが、新型コロナ対策のため、式の出席者は関係者と小学6年、中学3年生に限定する方向で検討。その日から小学生196人、中学生103人が新校舎で授業に臨む。

 村上善司教育長は「子どもたちが待ちに待った新校舎。コロナ禍でも最前線で頑張り、工期内で完成させてくれた事業者の皆さんに感謝。小学校から中学校までの9年間切れ目ないシステムの中で志高い子どもたちの育成に努めていきたい」と話していた。


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。



最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。