見出し画像

度重なる地震で亀裂や破損 日和山公園内の石鳥居 鹿島御児神社「再建費が問題」

 石巻市の日和山公園内に建つ鹿島御児神社の海側の石鳥居が、度重なる地震で亀裂や破損が見られ、存続の岐路に立たされている。鳥居下の階段も含めて規制線が張られ、立ち入りを禁止する措置が取られている。同神社では「修復は難しく、取り壊して再建立するにも費用が問題」と苦しい胸の内を明かす。石鳥居は石巻市を代表するランドマークの一つだけに今後の対応に注目が集まりそうだ。

規制線張り注意喚起

 同神社の石鳥居は高さ約5メートル。柱には昭和10年3月建立と刻まれており、実に80年以上経過している。東日本大震災を含む数多くの地震に耐え抜いてきたが劣化は否めず、今年2月ごろ市職員が鳥居周辺に小さな破片が落ちていることに気付き、同神社に相談した。

日和山の鳥居が崩落の危険性 再建にも費用が課題 (25)

 同神社で対応を考えているさなか、1日に石巻市で震度5強を観測する地震があり、ここ数カ月、強い地震が相次いでいるため、安全面から同神社では鳥居周辺を立ち入り禁止とした。

 同神社の窪木浩枝権禰宜は「公園や神社を訪れる皆さんに万が一のことがあってはと立ち入り禁止の措置を講じた。ただし神社としては取り壊すことはできても新たに建立するだけの費用を工面できない状況」と話す。

note用建立から80年が過ぎ、崩落部分も見える

 震災で大きな被害を受けた同神社は、本殿と社務所をようやく再建したばかり。新しく鳥居を建立するためには1千万円近くかかるという。

 今後の対応を検討する中で、取り壊すかどうかも含めて白紙の状態。インターネットを介して資金提供を呼び掛ける「クラウドファンディング」の利用も考えたが、作業に割ける人員もなく、苦慮している。

note用数々の地震を耐え抜き、多くの亀裂が走る鳥居の柱部分

 日和山公園を訪れる人からは「鳥居と海が見える石巻の風景を残してほしい」と存続を望む声も聞かれた。公園を管理する市都市計画課では「市民の安全のためにも立ち入り禁止は必要。今後の対応は神社と相談しながら決めたい」と話していた。【渡邊裕紀】


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。



最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。