避難の大切さ ここから発信 南浜津波伝承館あす開館 住民ら招き内覧会
石巻南浜津波復興祈念公園内の「みやぎ東日本大震災津波伝承館」が6日午後3時に開館するのを前に、住民や関係者を招いた内覧会が5日にあった。津波の恐ろしさを伝えるシアターや証言映像が見られるタッチパネル式の展示物などがあり、一足先に見学した人たちは、多くが来館するとともに備えの大切がここから広まることを願った。
同館は38.8ヘクタールの被災跡地に整備された祈念公園の中核的施設。県が国から借りて展示を行う。平屋建てで軒下を除く延床面積は約1300平方メートル。総工費は建物が約10億円で、このほか展示整備に約4億円をかけた。
真上から見た建物は円形で、時計回りに順路を設定。主要展示物のシアターでは、インタビューや統計資料などを用いた12分間の映像で見た人に津波避難の大切さを訴え、建物中央の壁面では在りし日の情景を映し出す。
随所に配置した情報端末では、各地の証言映像やメッセージを視聴できる。北側はガラス越しに多くが避難した日和山や震災遺構の旧門脇小学校が望め、津波から命を守る行動を強く促す展示とした。解説員含め10人が常駐する。
壁面シアターや情報端末を配置した館内
近くの門脇町から来た高橋興治さん(82)は「防災、減災の意識を持つ大事さを改めて感じた」と話し、同町の平塚やい子さん(76)は「前にここで多くが生活していたことを思うと何とも言えないが、たくさんの人が来て避難の大切さを学んでほしい」と望んだ。
入館無料で開館時間は午前9時から午後5時。月曜と年末年始が休館で、毎月11日は曜日に関係なく開館する。問合せは同館(0225-98-8081)。
【熊谷利勝】
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