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女川町で親善大会計画 第2回ハセクラ・カップ サッカー通じ国際交流


 伊達政宗の家臣で慶長遣欧使節団を率いて、サン・ファン・バウティスタ号で欧州にわたった支倉常長。その常長ゆかりの地のサッカー少年たちを集めた国際交流親善大会「(仮称)支倉常長没400周年記念 第2回ハセクラ・カップ」を女川町で開く計画が進んでいる。開催は令和4年夏を見込み、スペインやイタリアから選手を招き、石巻地方のチームと交流試合を行い、友好と復興支援の絆を深める。【山口紘史】

令和4年の夏開催へ

 常長の偉業を後世に伝える国際交流事業を展開するハポン・ハセクラ後援会(白田正樹会長)を軸に立案。約400年前に同使節団が訪れたスペインのコリア市、セビリア市とイタリアのチビタベッキア市のサッカーチームを招くほか、コバルトーレ女川ジュニアユース、仙台市、石巻市、大郷町の各代表チームが参戦。コバルトーレ女川が大会運営を行う。参加チームや試合形式などの詳細はまだ計画段階だが、海外選手には常長ゆかりの地の見学やホームステイ、学校訪問など交流事業に参加してもらう構想だ。

 開催地は、女川町が来年3月末に完成を予定する(仮称)清水町公園グラウンド。ピッチは町内初の天然芝(9600平方メートル)でコバルトーレ女川が練習、試合拠点として使う予定。J3基準に対応し、計600席の観客スタンドや約4400人収容できる芝生席も設ける。

 同大会を計画する契機となった「第1回ハセクラ・カップ」は昨年3月、スペインで開かれ、東日本大震災被災地のサッカーチームであるコバルトーレ女川ジュニアユースを招き、現地チームとの国際交流試合やホームステイで絆を深めた。この成功を受け、継続開催の機運が高まった。

 白田会長は「新型コロナウイルスの世界的流行により、スペインやイタリアでも多数の犠牲者が出ている。疫病と大津波の違いはあるが、共に支え合う姿を世界に発信し、勇気と希望を与えたい」と思いを述べた。

時を越えた絆

 常長率いる同使節団は1613年(慶長18年)、サン・ファン号で渡欧。使節の一部は日本に戻らず、スペインのコリア市に住んで子孫を残したという。そのため同市には使節団の末裔とされ、スペイン語で日本を意味する「ハポン」姓を持つ人が700人以上住む。

 ハポンさんらで構成する「スペイン・ハポン・ハセクラ協会」は震災後、石巻市を訪問するなど遠い古里の復興を案じ続け、その思いに呼応する形で平成30年に「ハポン・ハセクラ後援会」が発足した。常長の偉業を世界に伝え、後世につなぐ国際交流事業を展開している。

 同後援会は発足後第1弾の事業でコバルトーレ女川ジュニアユースの子どもたちをスペインに派遣。第1回ハセクラ・カップに参加させたほか、選手をハポンさんの家々にホームステイさせるなど400年の時を越えた絆を共有する一助となった。


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