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エアコン7月末まで整備 石巻市の全小中学校 「真夏の授業」に備え

 新型コロナウイルスの感染拡大防止で臨時休校が続いてきた石巻地方の小中学校では、不足した授業日数を補うために夏休みの大幅な短縮が決まった。例年7月下旬―8月下旬は夏季休業だが、2市1町はいずれも25日までに夏季休業の短縮を決定し、〝真夏の授業〟が現実となった。学校現場は近年の全国的な猛暑を受け、教室へのエアコン設置が進んでおり、石巻地方でも東松島市と女川町はすでに完了。石巻市も7月末の整備完了に向け、急ピッチで工事が進む。【近江  瞬】

暑さと感染対策を両立

 石巻地方の小中学校は3月2日から5月末まで約3カ月間の休校が続き、東松島市では今月25日から午前授業を再開。これまで児童生徒に自宅学習用の課題は出ているが、再開後に改めて復習を兼ねた授業は欠かせず、休校で不足した授業日数は、夏休みを削って補うこととなる。

 普通教室へのエアコン設置は石巻地方でも平成30年度から始まり、小中11校ある東松島市、2校の女川町は共に完了。石巻市は7月末の整備完了へ工事が進み、同市は52小中学校の特別教室を除く全普通教室や職員室などに導入する。事業費は約28億円。国の交付金と市の持ち出し分で賄う。

石巻市内小中学校でエアコン設置急ピッチで進む (2)

石巻市内の小中学校ではエアコン設置作業が進む

 市は当初、昨年度内を工期としたが、全国的な設置の流れで人材と資材の確保が難しくなり、完了を今年7月末に修正した。工期が徐々に近づく中、今月半ばまでに5小学校、9中学校で本体工事を終えて配電整備を行っており、残り28小学校、10中学校も順次、工事が進んでいる。

 請負業者は「新型コロナの影響で輸入製品の確保に遅れは出たが、休校で作業時間が取れた分、夏休み前には確実に間に合う」と強調。市教委学校管理課も「工事の遅れはないと聞いている。7月末の完了へ今のところ順調」と話した。

 石巻市立山下小学校でも今月中旬から、各教室へのエアコン設置が始まった。現場の副責任者は「休校でスケジュール調整が必要になったが、7月末の設置に間に合わせる」と話していた。

 暑さ対策が整う一方で、今夏は新型コロナ対策も求められる。文部科学省が示した学校再開のガイドラインでは「エアコンは室内空気の循環であり、エアコン使用時も外気を取り込む換気は必要」とする。市教委学校教育課も「現場では暑さと感染症対策でガイドラインに沿った対応が求められる」と話している。


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