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円滑交通や避難路整備進む 沿線コミュニティー再生

 石巻市釜地区の市道石巻工業港曽波神線。東日本大震災の津波で周辺は大きな被害を受け、この路線はなかなか水が引かず河川のような状態が続いた。しばらくの間、道路の両側にはがれきや車両が積まれたままの光景が広がっていた。【渡邊裕紀】

3月31日定点観測 市道工業港曾波神線

 JR仙石線の線路をまたぐ陸橋を経て蛇田地区とつながる路線であり、臨港道路から商業地経由で三陸自動車道に乗り入れできるなど利便性が高い。復興事業では釜北橋の架け替えや拡幅延長などが進められたほか、今も接続道を中心に復旧工事が行われている。

 周辺では防潮堤機能を持つ高盛り土道路として県道門脇流留線の工事が進む。また工業港から北側に伸び、避難路も担う石巻工業港運河線は、大街道(国道398号)の交通渋滞緩和も期待できる路線であり、本年度末の完成を目標に整備が行われている。

令和2年10月2日定点観測 市道工業港曾波神線

 今月2日には曽波神線と交わる都市計画道路の釜大街道線(延長3580メートル)の1800メートル区間が通行可能になった。沿線には復興公営住宅や指定を受けた津波避難ビルなどが立ち並び、震災前の風景から大きく変容した。

 曽波神線沿いで北上川を開削した川村孫兵衛の菩提寺となる普誓寺は、敷地内に高盛り土道路が通るため、本堂を曳(ひ)き家で動かして移設。地域では震災で一時は離れた住民も徐々に戻り、新しいコミュニティーも生まれている。付近には食品スーパーなども進出し、新しい日常生活が形づくられている。


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