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近付く告示 前哨戦加速 16年ぶり新人同士の戦い 5人立候補に意欲

 任期満了に伴う石巻市長選(18日告示・25日投開票)の告示まで1週間を切った。現在までに市議の阿部和芳氏(61)、元衆院議員の勝沼栄明氏(46)、元県議の齋藤正美氏(66)、元市立病院職員の長純一氏(54)、アルバイトの豊沢幸四郎氏(59)の新人5人が無所属での立候補を表明。現職が引退を決め、16年ぶりに新人同士の戦いになる。【外処健一、熊谷利勝、山口紘史、本庄雅之、渡邊裕紀】

 2度の市長選挑戦後、市議に返り咲いた阿部氏は、さまざまな議案に対して是々非々で臨み、常に市長目線を意識してきた。今回は「執行権がなければ」と強い意欲がにじむ。「地元を知り、どこに誰がいるかを知っている」と強みを強調する。

 先週から毎朝、街頭に立つ。「分かっている人は手を振ってくれる」と手ごたえを実感する。応援歌も作るなどユニークな取り組みで支持を広げる。告示後は演説会を最小限とし、ツイッターなどSNSで情報発信する。

石巻市長選告示まで1週間 (2)

市役所に掲げられた市長選周知の懸垂幕

 勝沼氏は前回の衆院選で知名度と組織づくりに苦しんだが、今回は市議会最大会派を軸に17議員が推す。2カ月前から地域を歩き始め、約1万2千件を訪ねたという。靴は3足目。「ポスターより実物のほうがいいと言われる」と照れつつも手応えを口にした。

 後援会組織は青年部と壮年部で構成。幅広い年齢層が入り込んでおり、〝市民党〟で臨む。前哨戦はSNSで活動を公開して透明性を高めつつ、知名度向上に力を注いでいる。

 現職亀山紘市長(78)の後継指名を受けた齋藤氏は、自民県連の推薦のほか、立憲民主党宮城5区支部と政策協定を結び〝市民党〟的立場で戦う。

 先月19日の県議辞職後、地域や企業を足しげく訪問し、移動中も電話をかけまくる。選挙経験豊富で知名度抜群のベテランは、朝の街頭にも立って通勤途中の車に手を振っている。後援会役員は告示まで連日連夜、地区ごとの集会を持ち、総力戦へ士気を高めていく。

 医療、介護、福祉界有志の要請を受けて出馬する長氏は、政党の支援を受けない草の根活動を展開。朝には国道45号蛇田交差点など交通量の多い場所に立ち、顔を売り込む。

 政治団体「未来へ、いのちをつなぐ石巻の会」が蛇田地区に開設した事務所を拠点とし、北上、雄勝、牡鹿半島部などでポスティングを行い、街宣車も市内をくまなく走らせるなど無党派層への浸透を図っている。インターネットによる情報発信も積極的だ。

 5人の中で最も遅くに立候補を表明した豊沢氏は、後援組織を持たず一人で選挙戦に臨む。税金を使った従来選挙に疑問を呈し、選挙カーやポスターは用意しない。告示後も具体的な選挙活動を行わず、SNSや口コミで公約を発信することにしている。

 「ここから日本を変える一歩にしていきたい。若い世代に興味を持ってもらえればうれしい」と豊沢氏。自身の行動が低迷する投票率向上につながることを期待する。

 3月1日現在の有権者数は12万1140人(男5万8545人、女6万2595人)。 


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志高くまちの将来像描く
石巻青年会議所・公開討論会 立候補予定の5氏登壇

 石巻市長選を前にした市政公開討論会(石巻青年会議所主催)が10日、石巻グランドホテルで開かれた。立候補を予定した新人5人が登壇し、今後のまちづくりについておのおのが考える施策を述べた。新型コロナウイルス感染症対策で会場に市民を入れず、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で生配信した。この日の模様は17日まで視聴できる。【熊谷利勝】

石巻市市政公開討論会 (9)

互いに距離を取って壇上に並んだ立候補予定者

 会場の左側から市議の阿部和芳氏(61)、元県議の齋藤正美氏(66)、元衆院議員の勝沼栄明氏(46)、元市立病院職員の長純一氏(54)、アルバイトの豊沢幸四郎氏(59)が着席。それぞれ未来のビジョンを示した上で①人口減少緩和の鍵である若者世代・女性に向けて②暮らしやすいまちの実現に向けて③誰もが稼げるまちの実現に向けて―の3テーマで各3分で政策を述べた。コーディネーターは東北大学の河村和徳准教授が務めた。

 阿部氏は「笑顔あふれる石巻再生を目指す。市民総ぐるみで稼げるまち、にぎわうまち、災害に備えるまちの3本柱を生かしたまちを構築する」と将来ビジョンを提示。若者や女性の人口流出を防ぐため、活力ある地場産業の育成やクリエーティブな仕事の企業誘致、起業支援を重視した。

 齋藤氏は「人口減に柔軟に対応できる、活力に満ち、市民が住むことに誇りを持てるまち石巻」を将来ビジョンとし、「コロナ禍の地域経済を立て直し、市民が多彩な祭りや文化で楽しく暮らせ、交流人口の増加につながる政策を推進する」と主張。具体の予算規模や財源、数値目標も示した。

 勝沼氏は「弱者に優しく、頑張っている人がより頑張れるまちにしたい」と将来像を示し、「福祉、医療、介護、子育て分野を増強させながら若者や外から来た人が可能性を感じていろいろなことが始められ、それを行政が手助けする」と強調。国道整備で石巻を物流拠点にする構想も示した。

 長氏は、支え合いの仕組みである地域包括ケアを推進してきた立場から「市立病院が市民の病院になるよう改革し、日本一のコロナ対策を行う」と意欲。包括ケアが地方創生の原点だとし、医療、介護、福祉の就労を支援していくことが人口減少した地域を守ることにつながるとの見方を示した。

 豊沢氏は「物はできたが、社会課題は解決していない。石巻を日本一住みたいまちにしたい」と主張。「若者が夢、希望を持つ前に金が必要」として低い賃金の上昇や18歳までの子育て費用を公費負担する施策を訴えた。また、「脱原発こそが暮らしやすいまち」と持論を述べた。


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少数激戦 支持拡大へ奔走 東松島市議選に19陣営
市長選は無競争濃厚

 東松島市長選、市議選(25日投開票)も18日の告示まで1週間を切った。市長選は現職の渥美巖氏(73)が無所属での出馬を表明しており、他に動きもないことから無競争の公算が強い。市議選は現職、元職、新人の19陣営が短期決戦に向けた前哨戦を繰り広げており、定数となる18議席をかけて少数激戦となる見通しだ。【横井康彦】

 2期目を狙う渥美氏は自民、公明両党の推薦を得たほか、地元経済、産業界などから幅広く支持を受け、盤石な体制を敷く。後援会組織は地方創生や道の駅構想の推進、子育て支援、産業の活性化など公約をまとめたパンフレットを配り、市政継続を訴える。

 市議選は現職が石森晃寿氏(65)、小野幸男氏(61)、齋藤徹氏(36)、土井光正氏(67)、阿部勝徳氏(65)、小野惠章氏(66)、大橋博之氏(64)、阿部としゑ氏(67)、手代木せつ子氏(65)、櫻井政文氏(71)、長谷川博氏(71)、熊谷昌崇氏(47)、滝健一氏(78)が立候補を表明。元職は前回市長選に出馬した大曲の会社役員五野井敏夫氏(67)が準備を進める。

東松島市看板

市内120カ所に掲示場の設置が進む

 新人は大曲の農業阿部秀太氏(60)、赤井の無職千葉修一氏(57)、小松の前衆議院議員秘書浅野直美氏(44)、野蒜の会社員井出方明氏(64)、大曲の会社員佐藤憲宏氏(45)が名乗りを上げている。

 東松島市の有権者は3月1日現在3万3405人(男1万6277人、女1万7128人)。より地域に根差した市議選は、僅差な得票で明暗が分かれるため、各予定者は上乗せを図ろうと地域を回る。しかしコロナ禍で決起集会も開けず、有権者との距離に気をもむ。

 ある現職は「市議選も一時期無競争のうわさが広まったが、どうやら選挙戦になる。思うような活動ができず厳しい戦いだが、コツコツと支持を広げたい」、ある新人は「歩くほど地域課題が浮かんでくる。市議となって住みよいまちを作りたい」と話し、決戦までを指折り数えていた。

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