「正解のない自由な空想も重要」　ワンピース、エヴァ声優 山口さん　オンラインで絵本読み聞かせ

　テレビアニメ「ＯＮＥ　ＰＩＥＣＥ」のニコ・ロビン、「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの赤木リツコ役などを担う声優の山口由里子さんが3月31日、石巻市かわまち交流センターで絵本読み聞かせを行った。コロナ禍のため、オンラインで行い、プロならではの豊かな表現力で、子どもたちを絵本の世界に引き込んだ。【渡邊裕紀】

　山口さんは多くのアニメ、ゲームのキャラクターに声を吹き込むベテラン声優。地元である埼玉県入間市では、小学校などで子どもたちに読み聞かせのボランティア活動を行っている。石巻日日こども新聞のサポーターでもあり、令和元年には石巻市を訪れ、ＮＰＯ法人「放課後こどもクラブＢｒｅｍｅｎ」主催で児童クラブや保育園などで読み聞かせを行った。

山口さんの申し出でオンラインの読み聞かせイベントが実現した

　山口さんは、宮沢賢治作の紙芝居「雪わたり」、絵本「いたちのてがみ」などを朗読。何役もの登場人物を声で演じ分け、子どもたちの想像力をかき立てた。途中の質問コーナーでは「俳優は難しいですか」など問いに「俳優になるまでが大変。稽古の日々を乗り越えられれば、プロとして楽しく仕事ができる」と答えた。ロビンやリツコなどアニメでなじみの名せりふも届けるなど、サービス満点で楽しませた。

　後上壮史さん（蛇田中1年）は「プロならではの声の表現力が素晴らしく、すごく楽しかった」と笑顔。山口さんは「私も子育て中の母親の一人。役者として子どもたちに想像力あふれる世界を提供し、心を豊かにするお手伝いができればなにより」と話した。

　その上で「一人で考え、正解のない自由な空想をすることも重要。他者を思う心を育み、困っている人たちを助けられる大人になってほしい」と思いを込めた。

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