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石巻 ワクチン接種 市職員がネット予約代行 6月1日から窓口設置

「分からない」の声に対応

 石巻市の新型コロナウイルスワクチン接種は、75歳以上に加えて27日から70―74歳の予約受付が行われている。インターネットであれば24時間いつでも予約できるが、「入力の仕方が分からない」という人も多い。そこで市は6月の1カ月間、市役所などにネット予約の代行窓口を設置。接種券を持参してもらい、職員が来場者に代わって入力する。こうした動きは市民の間にもあり、須江地区では28日、集会所などでネットに慣れた住民が予約を手伝う取り組みを始めた。

 市の予約代行窓口は6月1日から30日までの平日限定で、市役所5階市民サロン前スペース、各総合支所・支所に開設。いずれも午前9時―正午と午後1―5時に来場できる。

 市役所には10台、総合支所・支所には各2台のタブレット端末を配備。来場者に代わって市職員がタブレットを操作し、予約に必要な接種券番号や生年月日などを入力する。予約完了後、2回分の接種日と予約の変更に必要なパスワードを忘れないよう、紙に書いて渡す。市は必ず接種券を持参するよう呼び掛けている。

 75歳以上は26日午後11時までに約3万7千回分の予約がある。1人2回の接種が必要なため、対象者約2万6千人のうち7割にあたる約1万8千人が予約を終えたと見られる。

 残り3割の予約が完了しないまま、27日の70―74歳に加えて6月3日には65―69歳の受付が始まる。コールセンターへの電話予約は混雑が続いており、市はスムーズに手続きできるネットの利用を推奨。代行窓口を設けることで、接種を希望する人全員の予約の促進を図ることとした。

住民有志がお手伝い 石巻市須江

 「予約の電話がつながらない」という声を受け、須江地区では住民有志が28日から6月6日まで、のべ8カ所の集会所などを巡回する形でネット予約をサポートしている。

住民がワクチンのネット予約をサポート (2)

須江地区では住民有志が予約の手伝いをしている

 手伝いを始めたのは、東日本大震災後に須江に移り、IT関係をなりわいとする我妻久美子さん(42)。電話がつながらないストレスで血圧が上がった近所の女性もいて、区長らに相談して行うことにした。可能な限りチラシを配布して周知した。

 初日は瓦山生活センターに会場を開設。午前中だけで10人が来場した。我妻さんは、持参してもらった接種券の番号などを入力していき、一緒にパソコンを見ながら2回分の予約が取れていることを確認。1人当たり10分とかからず、接種日とパスワードを記入した紙も印刷して渡した。

 妻と2人分の予約をしてもらった鈴木伴男さん(74)は「2人暮らしでネットがなく、きのうも電話をかけたがつながらなかった。おかげさまで安心した」と親切に感謝した。

 住民の支え合いを大切にする我妻さんは「よそで自治会や大学生が手伝う例があり、ここでもできると思った。皆さんの役に立てればうれしい」と話した。【熊谷利勝】


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