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親しまれ11月8日閉場 石巻中央・コモンシップ橋通り 挑戦と出会いの拠点に

 震災後、石巻市中央で交流拠点となってきた仮設屋台村「Common―Ship橋通り」が11月8日で閉場する。平成27年にオープンした前身の橋通りCOMMONから約5年半、〝コモン〟の愛称で親しまれ、市民間や移住者、観光客とのつながりを数多く生んだ場所が役割を終える。運営する(株)街づくりまんぼうは今後2カ月間、感謝を伝えるイベントを催していく。【近江  瞬】

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平成30年にリニューアルオープンした当時のコモンシップ橋通り

 前身の橋通りコモンは、飲食業を主とした「起業希望者の挑戦の場」として27年4月に開設。コンテナやトレーラーハウスに地元出身者や移住者が出店し、そこから5店舗がまちなかで独立するなど地域に明かりをともしてきた。さまざまな企画は若い世代を中心に交流を生んだ。

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リニューアル後は趣味や特技を通じた交流の仕組みとして大人の部活動も始まった

 当初は28年9月の閉場予定だったが、利用者の要望や土地所有者らの理解で29年11月まで延長。その後、一旦閉場し、30年4月に起業希望だけでなく、市民の自由な挑戦の場となることを目指し、現在のコモンシップ橋通りとして再出発した。

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コンテナやトレーラーが並ぶ空間には多くの若者が集まった(前身の橋通りコモン時代)

 リニューアル後は新たな飲食店が加わるとともに、市民交流の機能として多様な趣味や特技を持った人々が集まって作る〝大人の部活動〟を導入。現在までに「しゃしん部」や「剣玉部」、「短歌部」など15部活動が設立され、延べ100人近くが所属し、芸術や文化拠点の役割も担っている。

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若い世代を中心に市民間、移住者、観光客ら多様な出会いを生んだ(前身の橋通りコモン時代)

 閉場は当初から予定されていたもので、街づくりまんぼうでは今後、9月27日に「さんま祭り」、10月11日に「橋通りクラフトパーティ」と「コモンフェス」、最終日の11月8日に「ありがとうコモン」などのイベントを計画。その他にも利用者からの持ち込み企画を含めた多彩なイベントを催す。

 同社街づくり推進課の苅谷智大課長は「まずは多くの出会いを生み出してきたコモンとの別れを明るく迎えたい」と強調。今後については「約5年半のコモンで培ってきた役割や取り組みを途絶えさせることはしない。新しい内海橋の開通で橋通りではこれから歩行者中心のにぎわいの創出が求められる。コモンのつながりを継承した取り組みを模索する」と語っていた。


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