見出し画像

総合体育館アリーナ使用中止 つり材落下の危険 3月の地震影響 石巻市 「検査甘かった」と陳謝

 石巻市は4日、総合体育館=泉町=のアリーナを当面、使用中止にしたと発表した。天井と断熱材のつり材をつなぐ溶接部分が1カ所剥がれていることが発覚し、落下の危険性があると判断。今年3月16日に発生した福島県沖地震の影響と見られる。市は天井全体の調査を行い、他にも危険箇所がないか調べながら改修工事を行う。今のところアリーナ再開の見通しは立っていない。

 体育館は昭和55年10月に完成し、アリーナは延床1512平方メートル、天井までの高さは最大約17メートル。東日本大震災で屋根や外壁、ダクトなどが破損し、平成23年7月から約半年間復旧工事が行われた。屋内スポーツの拠点的施設であり、その広さから合同企業説明会など運動目的以外でも多く活用されてきた。

断熱材のつり材の一部で落下の危険が確認された(石巻市総合体育館アリーナ)

 市や、体育館を管理する市スポーツ協会によると、先月23日、業者がアリーナ天井部の断熱材の一部を交換しようと足場を組んで作業したところ、断熱材のつり材の一部で溶接が剥がれているのを見つけた。同協会が業者から破損箇所の写真を取り寄せて確認し、30日に市に報告。つり材が落下する危険性があると判断し、急きょ7月1日午後からアリーナの使用中止を決めた。

 3月に起きた地震の影響と見られるが、その当時、市や市スポーツ協会の調査では発見することができなかったという。結果的に事故はなかったが、この3カ月の間に多くのスポーツイベントが催されていた。

 市スポーツ振興課は「地震後の検査が甘かったことは否めない。発見が遅れて申し訳ない。再発防止に努めていく」と陳謝。施設利用予約をしていた団体の対応にも随時当たるという。

 調査や改修工事の日程はまだ決まっていない。アリーナ以外の武道場や弓道場、会議室などは通常通り使用できる。【山口紘史】





最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。