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石巻初のタクシー料理配送 八鶏飯蔵、ぱんぷきん 強み生かし新しい日常

 石巻市内で4つの飲食店を展開する(有)大森林グループ(林正徳社長)と、石巻地方で「タクシーのぱんぷきん」を運営する(有)ピー・エィチ・エス(渡邊智仁社長)が連携し、21日から新型コロナウイルスの感染拡大防止で外出を控える市民向けの料理配達サービス「タクデリ」を始める。市内でタクシーを使った配達事業は初めて。期間は8月31日までの約3カ月間で、地元に密着した企業である双方の強みを生かし、新しい便利さを提供する。【近江瞬】

 新型コロナの影響による外出自粛で、外食産業は大きな打撃を受けており、同グループでも4月の売上は前年比で8割以上の減。タクシーも出控えで4月の稼働率が昨年比3割にとどまった。そこで両者は自慢の味と、介護事業における食事の配送経験や機動力を生かした取り組みを模索。逆境の中でも市民に気軽においしい食事を楽しむ機会を提供しようと手を組んだ。

 料理は同グループがあけぼの二丁目で運営する「八鶏飯蔵(はっとりはんぞう)」と「海彦山彦」で調理し、出来立てを「タクシーのぱんぷきん」が届ける仕組み。注文は利用者が八鶏飯蔵のホームページかチラシからメニューを選び、同店に「タクデリの注文」と電話で伝えた上で料理を頼む。その後、タクシーが指定場所に商品を届けて清算。支払いは現金のほか、クレジットカードと決済アプリのペイペイも対応する。

 配達は税抜2千円以上から受け付け、配達圏は基本的に店舗から3キロ以内で、配達料は1.5キロ圏内で500円、3キロ圏内では700円となる。3キロ以上についても相談に応じる。仮に3千円分の料理を1.5キロ圏内で注文した場合は配達料などを合わせて3740円(料理3千円+消費税240円+配達料500円)となる。

 また、コロナ禍で苦しむ生産者や取引業者と連携し、テイスティ伊藤の野菜セット・果物セット、米の太田屋の特別栽培法ひとめぼれ10キロ、木の屋石巻水産の缶詰セットなど加盟店からの食材の配達も同時に始める。

 林社長(49)は「今後の発展も見据え、地元企業の連携で便利さという新しい価値で地域に貢献したい」と意気込む。渡邊社長(43)も「飲食業界とタクシー業界は一蓮托生(いちれんたくしょう)。期間後も続けられるように加盟店を募って事業を充実させたい」と話していた。

 注文は午前10時―午後9時に受け付け、配達は午前11時から開始。大量に注文する場合は2日前、オードブルは前日までの予約を呼び掛けている。メニューは「八鶏飯蔵」のホームページ、注文は同店(0225-22-8875)まで。



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