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母校石高から博物館へ 高橋英吉の観音立像 秀作広く市民の目に

 石巻出身の彫刻家高橋英吉の聖観音立像が26日、所蔵する石巻高校(高梨正博校長・生徒616人)からマルホンまきあーとテラスに開館する石巻市博物館に搬出された。同校卒業生の秀作が約65年ぶりに母校を出て、11月3日の博物館オープンから市民の財産として広く鑑賞されることになる。初日の3日は入館無料。

 英吉は湊出身で、東京美術学校(現東京芸大)に進学。「潮音」が昭和14年に新文部省美術展で特選を受賞するなど将来を嘱望されながら、同17年にガダルカナル島で31歳で戦死した。

英吉観音立像博物館へ搬出

別名「母戀觀音(ははこいかんのん)」と称される観音立像

 聖観音立像は同16年、第5回東邦彫塑院賞などを受賞。同31年に英吉の兄、寅治郎さんから学校に寄贈され、長く図書館で展示されてきた。

英吉観音立像博物館へ (8)

 今回、博物館に英吉作品が並ぶのに合わせて市側から展示の要望があり、学校側と協定書を交わし、貸与されることになった。25日に高梨校長、同窓会の青木利光会長、市教委の宍戸健悦教育長が調印した。今後、1年ごとに協定を更新、半永久的に博物館に展示される。

英吉観音立像博物館へ (64)

慎重に梱包作業が行われた

 26日には教職員が見守る中、運搬業者4人が約2時間かけて慎重に搬出作業を行い、その日のうちに博物館で組み立てられた。

 高梨校長は「素晴らしい木像をほかの英吉作品とともに県民、市民の方に見ていただき、彼の生きざまに思いを至らせてほしい」。在校生の庄司誓祐さん(2年)は「石高のシンボル的存在。市の発展のきっかけになると思うので、博物館での展示は素晴らしいこと」と受け止めていた。【本庄雅之】


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