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手探りで実践 新しい生活様式 「レジ割り込み」「人少ない公園へ」

 新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が宮城県で解除されてから、きょうで3週間。感染の再拡大防止に向けて政府が呼び掛けているのが「新しい生活様式」だ。【山口紘史】

 人との接触を避けることが柱であり、個人の心掛けはソーシャルディスタンス(社会的距離)、手洗い、外出時に誰とどこで会ったかメモを習慣づけることも求めている。日常生活での実践例も細かく提言され、会話さえも制限する内容が盛り込まれている。項目の中でも特に身近な食事や買い物の生活様式について声を聞いた。

 東松島市浅井の高橋勝利さん(36)は「いつもは子どもを連れて食材の買い出しに行くが、今は私か妻かのどちらかにし、感染防止のため基本的に子どもは連れて行かないようにしている」と変化を語る。また牛乳や冷凍食品など毎日消費する食料品はスーパーの宅配便を使っているという。

 石巻市新栄の櫻井令さん(41)も「食料品や日用品の調達はなるべく1人で行くようになった」と話す。新しい生活様式の実践例が市民に十分定着していないことを気にかけており、櫻井さんは「レジに並ぶときも床に貼られた目印に合わせて並ぶが、距離が開くためよく割り込みをされる。特に急いでいるわけでもないので私は何も言わないが、どこかでトラブルにならないか心配。店のさらなる工夫も必要では」と提言する。

新型コロナ地域の声 新しい生活様式

人との接触を避けることに重点を置いた新しい生活様式。公園も人が少ない場所を利用することを求めている

 同市大宮町の小林好枝さん(51)は「食事中は家族の会話が不可欠。『料理に集中』『控えめの会話』が外食に求められるなら、利用回数も必然的に減ると思う。だが新しい生活様式の取り組み自体は評価しており、子どもを遊ばせる際には人の少ない公園を利用するなど実践例を参考にしている」と話していた。

 一方、同市湊の佐藤敦さん(29)は「日常生活は個々の責任だが、仕事となると密集など3密が避けられない人も多く、新しい生活様式がどれほど第2波を抑え込む効果があるのかは疑問」と指摘。「全国民、全業種が様式にのっとって生活できる仕組みや制度作りを、国や地方自治体が普及と同じレベルで取り組むべき。それを徹底しなければコロナ収束は望めないのでは」と厳しい目を向けていた。


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