見出し画像

コロナ収束後の経済発展へ 東京みやぎ石巻圏人会総会 設立35年の歩み冊子に

 首都圏在住の石巻地方出身者や、ゆかりのある人たちで構成される「東京みやぎ石巻圏人会」は3日、千代田区内のホテルで総会を開いた。新年度は設立35周年を迎えることから、歩みを振り返る冊子の発行を進める。夏には石巻川開き祭りが第100回の大台となるため、この時期に古里訪問旅行を企画。このほか、ふるさと納税の啓発や経済団体、石巻専修大学との連携強化、復興支援など継続課題は前年度を踏襲した。【外処健一】

3年ぶりに開催された圏人会総会

 コロナ禍の中止を経て3年ぶりの対面式の総会には、石巻地方の行政、経済団体、在京者約80人が出席。小林美恵子会長=東京都町田市=が「川開き祭りも今年で100回。圏人会も古里を訪ね一緒に祝いたい。また、目標に向かって努力する若い人々を応援するのも私たちの使命。細い糸ではあるが、石巻と首都圏を結びたい」と語った。

 急な体調不良で出席を取りやめた石巻商工会議所の青木八州会頭に代わり、伊藤武彦副会頭は「社会情勢が変化する中、時代の変革を見定めながら行動することが大切。圏人会は古里とのパイプ役として今後も協力してほしい」と呼び掛けた。

 圏人会は古里の産業振興に向け、昭和63年に発足。新年度の事業計画では産業用地への進出企業のあっ旋、石巻の経済団体、石巻専修大との連携強化、首都圏での物産展、ふるさと納税の啓発などを継続的に行う。会員数は54人と横ばいを維持するが、ピークの104人(平成7年)の半減であり、拡充を命題とした。

 新規事業では「東京みやぎ石巻圏人会35年のあゆみ」の発行に向け、編さん委員会を発足。1年後の発行を目指す。歴史の振り返りにとどめず、圏人会の意義も発信し、新たな会員の掘り起こしにも活用していく。古里訪問旅行は、川開き開催時の8月5―6日を見込んでいる。

 役員改選では小林会長を再任し、3期目(1期2年)に突入。3人の副会長、幹事長1人も再任。副幹事長以下は入れ替えがあった。

 総会後、古里からの情報発信があり、石巻地方の自治体、商議所が人口減少対策や地域ブランド、連携施策などを発表。石巻市の工藤均副市長は「将来を担う世代が充足した環境で過ごせることが大事。それこそが地方創生」と述べた。

独唱、ピアノ優しく包む
ミニコンサート 石巻出身三浦さん、田中さん

 東京みやぎ石巻圏人会の総会後、石巻市出身者によるミニコンサートが開かれた。ピアノの流れる旋律に合わせ、透明感のあるソプラノの独唱が会場を包んだ。

美声を届ける三浦さんと奏者の田中さん

 出演したのはソプラノの三浦梓さん=石巻中学校、石巻好文館高校、国立音楽大学声楽専修卒=、ピアノの田中美奈子さん=山下中学校、県石巻女子高等学校(現・石巻好文館高校)、東京音楽大学ピアノ専攻卒=。2人は都内に在住し、音楽活動を展開している。

 ミニコンサートはオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」で幕開け。「早春賦」、「ゴンドラの唄」、オペラ「ジャンニ・スキッキ」より〝私のお父さん〟の計4曲を披露。ピアノで珠玉のメロディーを存分に聴かせ、そこに美声を乗せてドラマチックな世界観を作り上げていた。

 三浦さんは、5月28日にマルホンまきあーとテラス=同市開成=であるカンタータ「大いなる故郷石巻」で独唱するほか、11月26日の「復活の第九―第1回石巻第九」に出演する。三浦さん(32)は「石巻の皆さんの前で歌うのは幸せ。コロナが収束し、音楽活動の場が広がるのを願いたい」と話していた。


最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。