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追悼広場や築山を公開 3月開園の南浜祈念公園 市民向け現場見学会

 東日本大震災からの復興で、石巻市の市街地で進められている工事の現場見学会が14日にあり、完成が近づく石巻南浜津波復興祈念公園の祈りの場に市民が初めて立ち入った。公園は震災から10年の来年3月の開園を予定。海や園を一望できる高さ10メートルの築山にも初めて上ることができ、参加者はかつて街だった場所の変化に感じ入っていた。【熊谷利勝】

復興現場見学会(かわみなと大橋~南浜マリーナ~祈念公園) (58)

公園中心部の祈りの場を見学。写真奥の中央が中核的施設。左側が旧門脇小、右側は築山に続く道

 国、県、石巻市で構成する市街地復興工事調整会議が主催する第10回の合同現場見学会で、市民約20人が参加。南浜町周辺で同時進行する復興工事のうち3カ所に足を運び、担当者から説明を受けた。

復興現場見学会 南浜祈念公園の築山から見た中核的施設や追悼の広場

南浜祈念公園の築山から見た中核的施設や追悼の広場

 祈念公園は国、県、市の3者が市街地跡の約38.8ヘクタールで整備中。国営追悼・祈念施設となる園の中心部では中核的施設の建物が先行してでき、その近辺の追悼の広場祈りの場、築山の「一丁目の丘」も完成に近づく。

復興現場見学会 旧北上川河口で建設中の「石巻かわみなと大橋 」(10)

旧北上川河口で建設中の「石巻かわみなと大橋 」

 現場では公共工事で4万本、市民協働で6万本の植樹を行うことなどの説明があった。苗木は成長途中であり、築山からの眺望はまだ大部分が土色。そうした中で追悼の広場では寒さに強い西洋芝が青々とし、公園の面積の10分の1を占める人工の善海田池が日の光を受けて輝いていた。参加者は追悼の広場を横切り、二日月形状の献花台が設置された祈りの場を間近で見た。

復興現場見学会 平時に船を出し入れし、有事の際には閉める南浜マリーナ内の陸閘(13)

平時に船を出し入れし、有事の際には閉める南浜マリーナ内の陸閘

 祈念公園以外は、プレジャーボートなどの保管場所となる南浜マリーナ、旧北上川河口にかかる石巻かわみなと大橋の建設現場を見学。流留から参加した酒井功さん(77)は「車で南浜を通るたび工事の現場を見ていたので見学会に興味があった。保育所など大工をしていたころに携わった建物があったが、震災で全部なくなった。それから10年でまるっきり変わっていて、人の力でなすことはすごい」と感嘆していた。


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