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河川敷に大輪の花咲く 鳴瀬流灯花火 改めて〝100回大会〟

 東松島市鳴瀬流灯保存会(片岡健治代表)主催の鳴瀬流灯花火大会が16日、同市小野地区の鳴瀬川左岸鳴瀬大橋周辺の河川敷で4年ぶりに行われた。強風や満潮の影響で流灯は中止し、代わりに丘灯籠で対応。およそ800発の花火が夜空を焦がしたほか、太鼓演奏や各種出店でにぎわいを見せていた。

 故人や先祖をしのぶ送り盆の伝統行事として大正11年から継承されてきた流灯花火大会。東日本大震災後は震災犠牲者の御霊を慰める「鎮魂と追悼」も込めて開かれてきたが、昨今はコロナ禍で中止が続いていた。本来昨年が100回大会の年だったが、感染状況を鑑みて地域向けのミニ花火大会で代替開催。5類移行となった今年を改めて節目の大会とし、従来規模で催した。

800発の花火を打ち上げた

 この日は、台風の余波で強風と波浪に伴い流灯を流す船舶の航行が難しいとし、急きょ丘灯籠に変更。点灯は見送り、約500基を並べて「I♡ナルセ」などと文字を表現した。

 ステージイベントでは、鳴瀬鼓心太鼓が力強い演奏を披露し、周辺では屋台がにぎわいを見せた。花火大会では3号玉を中心に打ち上げ、見物客が故人をしのびながら夏の思い出に刻んだ。

 片岡代表(75)は「第100回大会として開催できたのは応援や期待してくれる方々の思いのたまもの。子どもたちに地域の思い出を提供できた」と語っていた。【横井康彦】



女川駅前広場で送り盆
先祖の帰り優しく照らす ランタン、竹あかり並べ

 女川駅前広場で16日、紙ランタンや竹あかりを使った送り盆が行われた。町民らが制作したぬくもりある紙ランタン約120個と竹あかり約40個が盆に帰ってきた先祖の帰り道を優しく照らした。

紙ランタンと竹あかりで送り盆をした

 町民有志約10人で構成する女川裏方一座主催。迎え盆(13日)では同広場に風鈴約180個をつるし、期間中に先祖を迎えた。同団体が盆行事を行うのは初めて。加納純一郎座長(72)は「イベントの少ない盆は町や駅前が静まり返る。先祖はもちろん、帰省する人や観光客も迎え入れる意味で企画した」と語り、今後も続けていく。

 常設した風鈴、送り盆で使ったランタンや竹あかりは町内の保育所や陶芸教室、町教育委員会による夜間講座の参加者などが作った。

 竹あかりを制作した持田悠華さん(女川小3年)は「初めてやってみたけど穴を開けるのが楽しかった。明かりがついてとってもきれい」と話し、姉の悠稀さん(5年)は「川で泳ぐ魚や花火など夏っぽい柄にした。また来年もやりたい」と笑顔だった。【泉野帆薫】





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