見出し画像

石巻市議会も原発再稼働「同意」へ 委員会が賛成陳情採択 24日本会議で正式決定

 石巻市議会総務企画委員会(奥山浩幸委員長)は17日、女川原発2号機の再稼働に関する賛否双方の請願、陳情の取り扱いについて採決し、早期の再稼働を望む地元商工会の陳情を採択した。再稼働に反対する市民グループ側の請願は不採択となった。24日の本会議での採決で正式に決まるが、委員会の審査結果は尊重され、再稼働を事実上同意する判断がなされる見通し。【熊谷利勝】

 再稼働に反対の請願は15市民グループ、賛成の陳情は牡鹿稲井商工会から5月に出され、所管の総務企画委は総合防災対策特別委員会と7回の連合審査会を開催。国や県の説明を受けたほか、2号機の現地調査で安全性や有事の避難計画の実効性を焦点に審査してきた。

石巻市議会総務企画委 原発再稼働の陳情採択 (15)

起立多数で再稼働を求める陳情を採択した総務企画委

 採決は請願、陳情の順に行われた。採決に先立つ討論で、再稼働を容認する立場で山口荘一郎議員が「厳しい新規制基準の下、原子力規制委員会で審査された。この時期に請願、陳情が出されたのは市民としても判断が迫られているため、市民の負託を受けた市議会として結論を先送りすべきでない」と賛同を求めた。

 一方、再稼働に反対の立場で水澤冨士江議員は「実効性のない避難計画の実態が市民に広まるにつれ、不安も広がった。子や孫の代まで古里にリスクを残す再稼働をしないことを求める請願に賛成する」と訴えた。

 委員長を除く委員6人の起立採決は、賛成1人、反対5人で再稼働に反対の請願は不採択。賛成の陳情は賛成5人、反対1人で採択となった。避難計画の実効性向上や避難道路整備を求める声は根強く、国や県に対して意見書を提出することも申し合わせた。

 再稼働は立地自治体の県、石巻市、女川町の地元同意が前提。女川町議会は7日に再稼働への同意を判断した。亀山紘市長は、住民の代表である市議会の意見を聞いて総合的に判断していく。


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。



最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。