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サンマ漁獲 正念場へ 魚群求め小型船再出港 三陸沖来遊は11月上旬か

 全国屈指のサンマ水揚げを誇る女川町に大型サンマ船の入港が続いている。初水揚げがあった10日以降、大型船が連日数十㌧単位で揚げてはいるが、魚体は小型、中型が主で例年と比べても数量はまだまだ少ない。これからサンマの魚群南下が予想される中、休業していた女川漁港を拠点とする小型船も動き出すなど、巻き返しに向けて船首を北に向けている。【渡邊裕紀】

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「豊漁を願いたい」と話す阿部さん

 小型船は8月上旬に女川漁港から出港したが、北海道釧路沖での調査で魚群が見つからず、8月末には女川に引き返した。小型サンマ船に乗る阿部哲也さん(31)=石巻市中央=は「本来は繁忙期で地元にいない時期なのに休業状態だ」とこぼす。漁獲がなければ収益に結びつかず阿部さんも不漁の影響を受け、収入が半分ほどに減ったという。

 10月に入り、ロシア海域周辺で操業する大型船が徐々に水揚げし始めたのを受け、近海の調査でも魚群の数が上向いてきた。阿部さんの乗る第57久丸(19トン)も、16日にサンマの群れを追って女川漁港から出港した。

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釧路港を目指し進路をとった第57久丸。今年のサンマ水揚げはこれからが正念場となる(10月16日)

 小型船は、冬のしけで海が荒れる前の11月末までにどれだけ漁獲できるかが勝負。「昨年から続く不漁で、今年はさらに悪くなる予想が出ている。それでも漁獲が上向くことを願いたい」と阿部さんは期待を胸に漁船の舵を切った。

 一般社団法人漁業情報サービスセンターによると、9月のサンマ水揚げ量は、全国で計約1000トンと過去最低を記録。今年の来遊量も減少しており、女川漁港の水揚げ量は過去最低だった昨年の4833トンよりも減ると見られている。

 同センターが発表した漁況予報では、三陸北部から南部にかけてサンマの漁場が形成されるのは、例年より1カ月以上遅い11月上旬ごろとされており、サンマの漁獲はこれからが正念場となりそうだ。


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