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プログラミング教育必修化 「ネットとの共生」 ④展望

 令和2年度から全国の小学校において「プログラミング教育」の授業が必修科目となる。プログラミング体験を通じて、コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を高めることを目的に、文部科学省が10年ぶりに学習指導要領を改訂した。これまで家庭に委ねてきた側面のある情報教育。必修化されることで、デジタル分野への知識を深める場だけでなく、適正利用を指導する機会になることが理想だろう。

全5回連載(4/5)

 石巻地方の小中学校では、先行してタブレット端末や電子黒板を活用した授業を展開中だ。ICT(情報通信技術)による授業補助は、単に授業の理解度を高める工夫としてだけでなく、デジタル端末に等しく触れる機会になっている。

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ICT補助を取り入れた授業を展開

 実際に授業で電子黒板や端末が活用されると、子どもたちの目が輝き出す。理科や社会の授業では、静止画が動画に。算数では立体図形をスクリーン上で回転・ねじることも容易。授業の内容がイメージしやすくなった。理解が進めば授業は楽しくなる。板書のみで下を向きがちだった児童生徒たちも前を向き、授業への関心や興味が増すようだ。

 本格的にプログラミング教育が始まることで、これまで簡単な操作が主だった小学生たちも、さまざまな仕組みを理解することになる。すでに親世代を超えつつあるネットに関する知識に、専門的な操作が加わるわけだ。

 順序立てて考える力を養うことが学習の目的であっても、子どもは興味が先行しがち。覚えた知識を自宅で〝応用〟してしまうことも。学校・家庭トータルでの使用時間が増えるため、使用ルールの見直しも必要となるだろう。

 次年度に備え、指導する教職員は、プログラミング教育のほか、脱ネット・スマホ依存に関する研修などを通じて知識や対応を学んでいるところだ。女川町では、児童生徒用向けにタブレットPCが導入されており、同年度2学期開校の女川小中一貫校では、ICTを活用した情報教育が本格化する。

 村上善司教育長は「仕事の担い手がAIやロボットに変わり、情報分野では第5世代移動通信システム(5G)が始まる。今後の社会に情報・デジタル分野は不可欠であり、そのベースとなるものを指導することになる。便利さとリスクは表裏一体の関係。学校、家庭の連携で指導を進めたい」と語っていた。


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