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石巻市 子育て支援 育児ヘルパー事業好評

ワンコインで気軽に依頼
産前産後の話し相手にも

 石巻市が本年度から妊産婦を対象に始めた育児ヘルパー事業が利用者から好評だ。自宅へ派遣されたヘルパーが家事や育児を手伝うサービスで、1回当たり2時間まで500円で気軽に頼める。市外から転勤してきた家庭の利用が多く、自宅にこもりがちな新型コロナ禍では、ヘルパーは良き話し相手でもあるようだ。

 結婚から妊娠、出産、子育てまで切れ目のなく行う支援の一環。「家事・育児が大変で余裕が持てない」、「産後、手伝ってくれる人がいない」といった家庭に対し、ヘルパーを派遣する。妊婦から産後半年まで原則20回以内、1日2回まで利用できる。料金は実費の1割負担に相当する1時間当たり250円で、非課税世帯は無料。1回2時間までで、ワンコインで収まるようにした。

 利用できる時間帯は土日、祝日、年末年始を除く午前9時―午後5時。調理や洗濯、住居内の掃除、生活必需品の買い物から子どものおむつ交換、着替え、授乳・沐浴の介助などを頼める。あくまで母親への支援であり、ヘルパーと子どもだけの留守番や犬の散歩などは頼めない。

ヘルパーの大景さん(左)と会話を交わすともみさん(右)。家事や育児の負担が減って笑顔に

 ヘルパーの派遣は市社会福祉協議会など4事業所に委託しており、本年度は助産師から研修を受けた113人が登録。子育て支援課(95―1111内線2554)か総合支所市民福祉課に申し込み後、いずれかの事業所の担当者が事前に自宅を訪ねて支援内容や日程を打ち合わせる。母子手帳交付時にチラシを配布しており、これまでに27人が利用した。

 このうち、震災復興工事に携わる夫の転勤で埼玉県から渡波に移り住んだ吉澤ともみさん(33)は、半年前に第一子となる長女の凛ちゃんが生まれたばかり。ともみさんは沖縄県出身、夫は茨城県出身で、近くに育児や家事を手伝ってくれる親族がいない。

 夫の母親が2週間来てくれたが、ずっと頼むわけにもいかず、凛ちゃんの世話をしながらの家事に心身とも「参っていた」という。人との接触を避けるコロナ禍でも「倒れたら大変」と、見かねた夫がヘルパーを申し込むことを提案した。

 昨年9月に申し込み、3カ月間利用。頼んだのは主に料理で、たくさん食べる夫のために多く作る必要があった。ヘルパーが子どもを抱っこしてくれる間は息抜きもできた。余裕ができて笑顔になったともみさんは「引きこもりがちだった時に話し相手にもなってもらえ、すごく助かった。実費を支払っても、もう1カ月きてほしかったぐらい」と感謝。「家事を回さないといけないと、追い込んでいるママに良い。休む時間も作れる」と勧めた。

 社協からともみさんのもとに派遣されたヘルパーの一人、大景美香子さん(53)は「自分も子育てを経験しているが、当時と違う部分を研修で学んだ。頼ってもらい、お手伝いできたのはうれしい」と話した。市子育て支援課は「同居の親も働いている家庭などでも良いので、気軽に利用してほしい」と呼び掛けていた。

【熊谷利勝】

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