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石巻 ささえあいセンター開所へ 子育て支援から 介護福祉連携まで

 石巻市が地域包括ケアを推進する中核的な施設として石巻駅近くに整備を進めていた「ささえあいセンター」が完成し、6月1日に相談業務などを開始する。市民の安心した暮らしに向けた相談や交流、研修の場や医療、介護の連携の場の機能を持たせた施設で、市社会福祉協議会の事務所も入る。開館に先立って市は愛称を募集しており、数十点の応募の中から「ほっとぉ~る」に決まった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響から今月30日を予定していたオープニングセレモニーは行わず、一般利用も当面見合わせる。【熊谷利勝】

市民利用は段階的に

 建物は鉄骨造3階建て延床面積4256平方メートル。1階は駐車場となり、エレベーターのほか、隣接の市役所と市立病院とを結ぶ歩行者デッキを上がった2階に総合受付がある。

 同階には誰でも利用できるオープンスペースのロビーやラウンジのほか、今後、民間に委託して子育て世代包括支援センターを設置。交流、遊び、相談のスペースを配置し、妊娠期からの切れ目のない支援を行う。また、市役所内の包括ケアセンターとともに「福祉まるごと相談窓口」の機能を移転し、介護と子育ての〝ダブルケア〟など複合的な問題の解決に向けた相談に対応していく。

ささえあいセンター内覧会 (67)

石巻駅前の市立病院隣に完成した「ささえあいセンター」

 3階は200人収容可能な市民ホール(ささえあいホール)や社協事務所のほか、軽運動ができる市民活動室や市民協働室、ボランティアルームを配置。社協前のオープンスペースは展示場所としても使える。2、3階とも無料でインターネットに無線で接続できる環境を整備した。

 愛称は市内女性の応募作品。地域を支える場所として〝ホッ〟とでき、皆(オール)が集える場所での総合的なサポートへの期待が込められている。
 建設事業費は約22億円で、ほとんどに国の復興交付金を充てた。災害時には介護が必要な人の福祉避難所になることを想定し、倉庫に必要な防災備蓄品を収納。災害時に市立病院への行き来を可能にする連絡通路もある。

 センターと駐車場の利用は午前9時―午後9時30分(貸館は9時まで)。駐車場は車いす使用者用2台、ゆずりあい駐車場6台、一般駐車場34台の計42台分を確保した。駐車料金は30分ごとに150円で、センター利用者は無料になる。

ささえあいセンター内覧会 (38)

総合受付前のロビーやラウンジは誰でも利用できるオープンスペース。報道に内部が公開された(5月28日)

 5月28日には市議会や報道向けの内覧会があり、職員がセンターの機能を説明した。貸館を含む一般利用は新型コロナの状況を見て段階的に始めることにしており、健康部の守屋克浩部長は「地域のコミュニティーを生かした市民主体の支え合いと、医療、介護、福祉の専門職の情報連携を推進する拠点。新型コロナが収まれば、たくさんの市民に利用してだきたい」と話した。


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