見出し画像

「部活の先輩が教えてくれたこと」~WEBラジオくるみの日々酒、第十三夜~

皆様こんばんは、KURUMIです。

毎月第2、第4金曜日の夜21:00にyoutubeと、ここnoteにて同時更新中
WEBラジオ「くるみの日々酒」今夜で13回目の更新です。

お酒を飲みながら日々感じたことをぼやきつつ
毎回1曲、私の今聞いてほしい曲を選曲して
その曲の何が好きなのかを熱く愛情込めて語ったりしています。

今夜はSlipknot(スリップノット)の4thアルバムAll Hope Is GoneからSulfur(サルファー)をセレクト。
この曲について熱を込めて語っている部分は、YouTube「くるみの日々酒radio」後半のコーナー「この曲を聴いてくれ」で聞けるので、音楽好きの同志は聞いてくれたら嬉しいです。


「前回のくるみの日々酒」

前回は何事も「とりあえず終わらせること」がどれだけ難しいことなのかを力説。
そして終わらせることで得られるものについて、私なりに考えてみました。


評価をされること。
自分に厳しいこと。
自分の作ったもの。


様々な考えにとらわれて見えなくなることが多いけど、

シンプルに、
自分の作ったものはとにかく外に出さなきゃきっと死んでしまう。

どんなものであれ外に出すことによって作品は磨かれ、完成していくのかもしれないし、自分の手を離れた作品を外から自分でも眺めることで、また新しい作品につながる何かを得られるのかもしれない。

そんな話を、どこか願望もこめて書きました。

「大切なのは“終わらせる”こと」~WEBラジオくるみの日々酒、第十二夜~


「超絶地味子が先輩ギャルに楽器を習う」


今夜は一方的な思い出話をさせてください。


今の私を知っている人はきっと
派手髪で派手な衣装でステージにいた私のことを知っている人が多い。
だからこそ「学生の時は本気の地味子でしたよ」と言っても本気にしてもらえないことが多い。
それは嬉しいことでもあるのだけれど。

だけどガチのガチだ。
私は笑えないレベルの地味子だった。

アニメとかでよく出てくる絵にかいたような地味キャラ。
休み時間は本を読んでいて、前髪もスカートも長く、口数が少なくてクラスの皆からは苗字にさん付けで呼ばれている女の子。

まさにアレだ。

中学生活、友達はほとんどゼロと言ってもいい。
転校しまくっていたのも手伝って、多感な時期にコミュニケーション能力を喪失した私は、人との距離感をうまくはかれなかった。

中学時代は習い事や転校の都合で部活にも入れず。

新しく始まる高校生活、
私はなけなしの勇気を振り絞り、憧れの吹奏楽部に入部した。

私が入部した吹奏楽は、中学時代も吹奏楽でした!という経験者が8、9割をしめる状況で、やはり希望の楽器には経験者が優先的にあてられた。

超絶初心者の私はまわりまわって誰も希望者がいなかったコントラバスの担当になる。
ぶっちゃけコントラバスという楽器の存在すらその時点で知らなかった。

顧問にすすめられるまま流されてその楽器の担当になった。

吹奏楽においてのコントラバスという楽器は、超地味な立ち位置である。
トランペットやサックスなど、ほかの管楽器に比べて圧倒的に音が小さい。
そして音が低い。とにかく目立たない。
ほかの楽器に音の存在感が負けてしまうのだ。

始めた当初の私は「この楽器、入れる意味あるのかな?」と本気で思っていた。

有名高校であればおそらくコントラバスの人数も多いので、また違うのかもしれなかったけど、私の高校は1学年に1人。
同じ学年に同じ楽器を担当の子は誰もいない状態だ。

必然的に2年生の先輩とべったり一緒に練習することになる。
そして私はそこで先輩に出会った。

こんなに地味な楽器なのだから、私のような地味な人が担当しているのだろう(失礼)と勝手に考えていたのだけど、初めて会った先輩は女性にしては背が高く、真っ白な肌に細い脚、おもいきり短いスカートに強めの喋り方。

私からみれば圧倒的ギャルだった。

いやぁもう当時の私からしたらギャルなんてもはや天敵。
一目みた瞬間に「しまった」と思いました。
楽器の選択を間違ってしまったと。

ギャルの先輩からみたら私のような地味女、しかも初心者、絶対めんどくさいと思われる!疎まれる!こわい!

と、反射的に身構えてしまったのです。


「外見に対する偏見を吹き飛ばすギャル」


しかし身構えてしまったのは私だけ。

私の警戒も、地味っぷりも、先輩はどこ吹く風だった。
内心はどうだったかわからないけど、

私が掘った溝や、警戒してとった距離なんて圧倒言う間にぶち壊して
ずけずけと歩み寄り、まるで最初から距離なんてなかったかのように私に話しかけた。

先輩は不真面目なフリをしていたけど、部活に対して結構熱血で、音楽に対して愛があった。吹奏楽とコントラバスをとても愛していたように思う。

校則が厳しかったうちの高校では、先輩のスカート丈や化粧やアクセサリーはいつもひっかかり、先生に目をつけられていた。
それでも自分のスタイルは崩さなかった。

先輩はしっかり頭もよくて、勉強もきっちりできた。
ギャルなのに。

むしろ私は本好きな地味子だったくせに、勉強はからっきしダメで。
楽器だけじゃなくて勉強まで先輩が教えてくれていた。


先輩の楽器の教え方はとんでもなく丁寧でこまやかだった。
まず先輩のようなギャルが私に普通に接してくれることで感動してしまった私は、その献身的な指導に面食らった。

もっと邪見にされると思ったのに。

一週間の練習メニューを手書きでノートに書いて毎週渡してくれた。
どこまでやったのかマメにチェックし、
けして覚えがいい方ではない私のことを絶対に見放さず、
根気よく教えてくれた。

私はそれまでの人生で一番がんばった。

コントラバスを好きになったからじゃない。
先輩のかけてくれた時間と、せっしてくれた距離感に、感動してしまったからだ。

大好きじゃたりないくらい大好きだったし、
ありがとうじゃたりないくらい感謝していた。
それは今も。

コントラバスはそのあとまんまと好きになっちゃったけど。笑

頑張った分だけ、先輩は見逃さずきっちりほめてくれた。
普段は褒めないくせに、努力はしっかりみていて必ず評価してくれた。

嬉しくてうれしくてたまらなかった。


今思うと、当時の先輩は高校二年生。
たった一歳差、高校二年生。

高校二年生で私の地味ダメな外見なんて気にせず
やったことを正当に評価して、教えて、伸ばして、

それを高校二年生の段階でやっていたのだと思うと
今でも信じられないし、尊敬がとまらない。

高校生なんて見た目が超重要だ。

学校のカースト最下位のやつと喋りたい人なんてまずいない。
そんなのそれこそアニメの世界だ。
地味キャラは地味キャラでしかない。
カースト最下位は人権がない。

それが高校生だ。

いやあ、そうとは言い切れないけど、でも当時の私はそう感じていた。


そういう高校生の常識を簡単に飛び越えて

私の殻をぶちやぶって
縮こまっていた私をひっぱりだした先輩のことは
大人になった今でも、ことあるごとに思い出す。

中学生の時は学校が苦手すぎて休みまくっていた。
義務教育にあぐらをかいていた。

高校生でも相変わらず学校は苦手だったけど、
部活に間に合う時間には必ず行くようになった。

先輩に会えるのが嬉しかった。

音楽にまみれた時間がいとおしかった。

先輩がいつも大声で私をいじるので
一生懸命それに反論したりしていたら
知らないうちに部活で同い年の子たちと仲良くなった。

中学時代は友達ゼロの私が。

初めてのメイクも、
初めて誰かと買い物に行ってお洋服を選んだのも、
髪の毛をセットしてもらったのも、
全部いまだに色鮮やかに覚えている。

先輩にとっては何気ない日常だったことだろうと思う。
私にとっては毎日どうしようもなく刺激的で、泣きたいくらい嬉しいことの連続だった。

知らないうちに先輩の口癖がうつってしまうくらいには、
彼女のことが大好きで尊敬していたし、彼女に褒められることが先生に褒められるよりも、他の誰にほめられるよりも価値があり、嬉しかった。

今でも忘れられない。


「見た目に影響を受けない人達」


大人になっても先輩のような人にはなかなか出会えないのだと知る。

第一印象で感じたことはとても顔に出る。
意識していても、意外と出ているものだ。

それは言葉に、表情に、行動に、距離感に、すべてに影響してくる。

反射みたいなもので、ある程度仕方がないと思う。
それが悪だとも思わない。

それでも、例えば仕事で後輩ができた時、
誰かに何かを伝えるとき、教えなきゃいけない時、

かならず先輩のことを思いだす。


器用で頭のいい先輩みたいにうまくはいかないけど
外見に左右されない努力や意識はできる。

相手に、私のひとりよがりなフィルターをかけてはいないだろうか。
ちゃんとフラットにその人をみることができているだろうか。

うまくはできなくても、意識することはできる。
先輩のおかげで間違えずにすむ。

過去の私のうれしくてたまらなかったあの気持ちがよみがえる。


高校生で、あの先輩に出会えたこと
その時感じた気持ち

私にとって一生の財産で、この先消えることのない指針だ。

それを手に入れることができた私は本当に幸運だったと思う。

先輩はきっとこのnoteを読むことはないだろうけど、
ふと思い出して、文章として残しておきたくなった。

コロナで汚染された世界が、回復した時にやりたいリストの中に
先輩に会いにいく、をいれておきたいと思う。


カースト最下位の地味子で冴えない学生生活だったけど、
今の私の根っこがうまっている。
先輩に会えたから、冴えない学校生活の記憶も帳消しである。




ということで、次回更新日は5/28(金)21:00
またここで乾杯できたら嬉しいです。


Podcastでもくるみの日々酒が聞けるようになりました。
下にリンク載せておくので、聞きやすい媒体で聞いてみてくださいね。

それでは皆様、よい夜を。

【Podcast】

GooglePodcast / Spotify


【webラジオくるみの日々酒、協力いただいている会社様】

株式会社GR

・REVOLVER
北海道札幌市中央区南1西24-1-8 エスターアヴェニュービル B1F

公式HP / 食べログ / Instagram / Twitter

・元祖魚串がりや
北海道札幌市中央区南3条西3-6-1 もりにビル 3F

公式HP / 食べログ / Instagram / 


お酒と音楽を愛しているので、頂いたサポートは素敵なお酒を出してくれる飲食店と音楽活動に使わせていただくと決めています。