ひびのこと。ー調理補助バイト

忘れないうちに連続して記しておこう。
 今回は百貨店にある高級料亭の調理補助のバイトに応募。サイトには従業員の方の集合写真が掲載されていたので、「バックヤードといえこんなに上品なところで働けるかな」と不安もあり、かなり緊張。オープン前からすでに並んでいる人もいる。受付の人に挨拶し、料理長にも挨拶をさせていただく。調理場に案内され、仕事を教えてくださる方と対面。母より少し年上の方のようだが溌剌として明るい方だ。ここではハツオカさんと呼ばせていただく。今日の主な仕事内容は漬物や醤油の準備、ご飯と味噌汁の盛り付けとのこと。ご飯の盛り付けは量も最初に説明していただけたので安心した。(我が家の感覚で行くと大体大盛りになりすぎるので)今月の炊き込みは鯛めしのようだ。いい匂いがしてつまみ食いしたくなる。
 オープンしたと同時に次々にオーダーが入る。ハツオカさんがよく通る声でオーダーを調理場に伝える。ご飯もお味噌汁も最後に盛り付けるので最初はそれを観察する。調理場も料理人さんがたくさんいらして、それぞれ天ぷらをあげたり刺身を準備したり美しい手捌きで美しい料理が出来上がる。目でも楽しめるご馳走を見ているとご飯と味噌汁の盛り付け指示が入る。三つ葉がうまく盛り付けられず時間がかかる。味噌汁のお玉は左右両対応のようで注ぎやすい。ありがたい。
 中盤までは団体ご予約のお客様がいてドタバタとしていたが、ひととおり料理を出し終えると少し厨房も落ち着く。その間に調味料の補充をしたり、漬物のセッティングをしたり細々とした作業をおこなう。漬物のお皿ひとつにしてもとても素敵なお皿だ。味噌汁の具材セットも手伝わせてもらった。娘とするおままごとのようで楽しい。
 後半戦が始まるとまた慌ただしくなり今度は炊き込みご飯もお味噌汁も在庫が少なくなってくるのでタイミングを見て料理人さんに補充してもらう。狭いのでぶつからないように細心の注意をはらう。まだまだお客様の宴は続くが、バイトの業務時間終了のためハツオカさんにあとはやっていただくことに。賄いがあるとのことで、魚の唐揚げ(あんかけ)、豚汁、炊き込みご飯、サラダというなんとも豪華な賄いを食べさせていただいた。幸せとはこのこと…と噛み締めながらペロリと完食。こんな日雇いバイトでもタダでご飯が食べられるなんてありがたいことこの上ない。
 最後は皆さんに挨拶して業務終了。退勤の時にホールの従業員さんに髪型が可愛いと褒められ喜ぶアラサーおばさん。ハツオカさんもとても優しくていい方で、小柄な体にどれほどのパワーがあるのだろうと思わせる人だった。
 女性が元気に働いている職場は活気があって素敵だと思った。賄いで食べた魚の唐揚げが美味しくて疲れも吹き飛んだ。ごちそうさまでした。


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