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夏休みがはじまる前に穏やかな日常を軌道にのせて

心を落ち着かせるために文字に起こそうか。雑然とした部屋は少し片付いて、家がようやく息を吹き返した。どうしてだっけ。理由はない。でもちょうど、大切な人が亡くなって49日だ。法要とか、古くから伝わる節目は人の心が変わりゆくタイミングをよく知っている。少し前に奥様に手紙を書いてお線香を送った。「ありがとう、気つかわんでええよ」と言う声がどこからか聞こえてきそうだ。あの人が愛したメルロ=ポンティの本を読み返したい。フランス語のテキストもまた買ってきてしまった。あの人は私の中に住んでいる。心を強く育ててもらって私はまだこの先を生きられる。ありがたい。

久しぶりにご飯が美味しく感じた。いつもより手抜きな気もするけれど、さっぱりしていて食べやすかった。

ゴーヤは筒状に分厚く切って豚肉と甘辛く煮詰める。苦味があって大人の味だ。素麺を彩るのはうちで採れた野菜。同じものを子どもたちも食べてくれるので、身体が健やかに育ってくれているなと嬉しくなる。

とうもろこしは先週山梨でたくさん買ってきたものだ。山梨産の桃とスモモもこの1週間は毎日食べて旬を楽しんだ。サマーエンジェルという品種が好きだったけれど、サマービュートのほうがマイルドで美味しかった。福島でつくられた品種が菅田将暉みたいな名前だったけれど、その菅田将暉は全く酸味がなくて、新しい果物のようだった。また食べたい。菅田将暉。

いよいよ明日で学校も終わり夏休み突入だ。よかれと思って、学校から持ち帰った朝顔の葉と茎の断面を簡易顕微鏡でのぞいてみたのだが、

娘は見向きもしないで下着姿でソファと一体化してアニメを見ていた。虚しい気持ちになったが、「夏休みなんてそんなもん」と夫に言われて妙に納得した。


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