西日暮里茶々子

30代女。精神分析(フロイト)専門。教員を経て心理士に。事なかれ主義。多趣味です。アニ…

西日暮里茶々子

30代女。精神分析(フロイト)専門。教員を経て心理士に。事なかれ主義。多趣味です。アニメ、ラジオ、料理、裁縫、ヨガ(丹田呼吸法)、家庭菜園。週末に湧水をくみに行くのが楽しみです。文章の筋トレのためにnoteはじめました。結論ではなく文脈を楽しめる世の中になればいいなと思ってます。

最近の記事

夏休みのあたし

夏休みがはじまった。子どもが家にいると面倒なことも多いが、朝の支度に急かされなくていいので、ヨガや庭の草むしりの時間を十分にとれるのが嬉しい。太陽がのぼり切ってしまう前にヨガで股関節をゆるめて、アキレス腱をのばして、丹田を意識する。屋上にマットを敷いてやるので、自然に空へ目と気持ちが向かう。 草むしりをすると安産になると言われている。所謂うんこ座りの姿勢がいきむ力を鍛えるとかなんとか。オシャレにカフェ巡りしながらウォーキングとかピラティスとかしなくても、お金をかけずに家族の

    • なぜ子どもと料理をするのか「子どもといっしょに!おいしい入門」(その9)

      子どもに料理をさせるのは面倒だという話をよく聞く。でもそれは完成度や写真映えなど「何か得ようとする」親側の思惑が自らのやる気を削いでいる場合がある。「お手伝い」のハードルはどんどん上がっている。本来は親が決めた適当な献立の一部の工程にすこしばかり参加してもらう程度で十分だと思う。にんじんの皮をピーラーで剥くだけ、じゃがいもを潰すだけ、カレーのルーを割って鍋にいれるだけ。それだけなら忙しい親の邪魔にもならないはずである。食事すること、料理すること、お手伝いすることは、他の誰のた

      • 夏休みがはじまる前に穏やかな日常を軌道にのせて

        心を落ち着かせるために文字に起こそうか。雑然とした部屋は少し片付いて、家がようやく息を吹き返した。どうしてだっけ。理由はない。でもちょうど、大切な人が亡くなって49日だ。法要とか、古くから伝わる節目は人の心が変わりゆくタイミングをよく知っている。少し前に奥様に手紙を書いてお線香を送った。「ありがとう、気つかわんでええよ」と言う声がどこからか聞こえてきそうだ。あの人が愛したメルロ=ポンティの本を読み返したい。フランス語のテキストもまた買ってきてしまった。あの人は私の中に住んでい

        • 「きゅうりを切りまくろう!」子どもといっしょに!おいしい入門(その8)

          2人が肩を並べてひとつの対象を共に眺めることを、発達心理学ではジョイントアテンション(共同注視)と呼ぶ。この発達上の転換期をむかえると、幼児は他者の意図や心を読み取ることができるようになっていく。精神科医の北山修氏は「共視」という言葉を用いて、二者が外側にある対象物を共有し、考え、言葉を交わす様子を、「2人の間をひらいて間接化しつつ、間をつなぐ広がりのある境界帯」と表現し、その重要性を説いている。 私は小学校低学年の子どものカウンセリングを行う時、大人とのように顔を突き合わ

        夏休みのあたし

          最近作ったもの、最近のわたし

          活動はしているけど、無気力というか、丁寧さに欠けるんですよね。何かを生み出したい欲求が足らなくて惰性でやっているというか。絵を描かなきゃなあ、noteを投稿しなきゃなあ、と思うんですが、パッションが足らなくて。夜ちゃんと六時間寝ちゃってると、全く創作時間とれませんし。私が1番情熱的に絵を描いていた時期はうたた寝しながら夢の絵を描いていましたし、寝ないで本を読み続けていると、夢の中で本が勝手に自分を読解しはじめるんですよ。そういう熱量が全くない。体は重い。太陽が出てない季節だっ

          最近作ったもの、最近のわたし

          訃報

          5月30日に、私が世界で一番愛する人が亡くなった。私の唯一の理解者だった。そのことを知ったのは、6月24日。4年前に癌が見つかったと連絡をもらってから、ゆるやかに、ゆるやかに、その人は私から離れて行ってくれた。まるで私が傷つかないようにと、十分に覚悟をする時間を与えてくれた。ちょうど一年前にお礼の手紙と、出版されたばかりの著書を送ってくれた。ショックだったけれど、丁寧すぎるお別れだったと思う。 1カ月近く、死を知らないまま、その人がいない世界を私は生きていた。「当然生きてい

          まずは心の点検作業

          混乱の渦中にいてはいけない。 相手にイライラするのは何故か。 その人の心を分析するのではなく、 何故自分がイライラするのか考える。 たいてい、自分の嫌な思い出や、 日頃の鬱憤が呼び覚まされるからイライラする。 再三注意したい。 相手の顔色を見るな、想像するな。 想像したものは、あなた自身の写し鏡。 自分の弱点が、そのまま相手のもののように 写るだけ。 あなたはあなたの物差しでしか他人を測れない。 状況が変わらなくても 心のもちようで変わることもある。 間違いなく他人のせい

          まずは心の点検作業

          呪い

          言葉にならない混沌の中にいる。 副鼻腔炎で激しい頭痛に耐え、今日はじめて耳鼻科を受診できたのだけど、妊娠初期の患者には薬は処方できないとのことで、鼻洗浄だけ処置してもらって帰った。5月末からつわりで何を食べても美味しくなくて、眠くて、気持ちが悪くて、しにそうだ。 3人目は希望していなかった。すべてが夫のゴリ押しの結果だ。おろすことも考えたが、私が住む田舎に良い病院はなく、つわりがあって2歳児連れでは長距離移動も不可能。評判は悪いけど近くの病院に相談しに行ったら罵倒されて2

          寝込んでました

          5月下旬からずっと調子が悪くて苦しみながら頑張っていたのですが、次女が熱を出し1週間寝込み、長女にもうつって全滅していました。2人とも今はほとんど回復しています。私は以前からの不調に加えて副鼻腔炎でひどい頭痛と鼻詰まり。吐き気がとまらず全くごはんが食べられませんでした。すごく痩せたので今まで食べすぎていたんだなと反省してます。気持ち悪くて味見もできないので料理もできませんでした。今日ひさしぶりに、グラタンとラタトゥーユを作ることができました。あと卵を消費するためにカスタードク

          寝込んでました

          「お味噌汁をつくろう!」子どもといっしょに!おいしい入門(その7)

          新しい食器を買うと、はやく料理がしたくてうずうずする。旅先や骨董市で見つけたお皿に盛り付けた料理はいっそう輝いて見えるものだ。 先日、益子の陶器市へ行き、お茶碗2個、お皿4枚、箸置きを8個を買ってきた。小さな子どもがいるとどうしてもプラスチックの皿を選んでしまいがちだが、やはり陶器の方がどっしりと存在感があって、皿も食事も大切にしようという気持ちになれる。思い入れのある皿を前にすると、それなりに心をこめて料理しようという気にもなる。 「きちんとした食事」がとれるかどうかは

          「お味噌汁をつくろう!」子どもといっしょに!おいしい入門(その7)

          「おにぎりパーティーをしよう!」子どもといっしょに!おいしい入門(その6)

          4年前、コロナが猛威を振るっていた頃、夫が完全在宅ワークになり、朝昼晩の食事を作る日々が続いた。長女はまだ3歳で幼稚園にも入っておらず、娘と遊びながら時間に追われて合間に作るご飯は苦痛でしかなかった。感染せずともストレスで私の寿命は間違いなく縮んだ。 ご飯はある程度ゆとりをもって作るから楽しいのだ。やらなくてもいい梅シロップを漬けるとか、伸びてきた庭のヨモギがかたく育ちきってしまう前に収穫して粉末にするとか、巡る季節に食を重ね合わせることほど有意義で贅沢な営みはないだろう。

          「おにぎりパーティーをしよう!」子どもといっしょに!おいしい入門(その6)

          「そらまめをむこう!」子どもといっしょに!おいしい入門(その5)

          子育てとは、理想と現実のギャップにもがき苦しむものである。少々自然派に傾倒している私は、子どもが産まれたら市販より手作りのお菓子を与え、素朴な服を着せ、穏やかに図書館に通い、たくさんの本を読み聞かせするつもりでいた。ところが実際、長女はカラフルな駄菓子と地雷系ファッション、アニメに夢中である。これは一体どうしたことか。発達や教育心理のノウハウをもった私が育ててもこの結果である。たどり着いた答えは「その子のもって生まれた性質には抗えない」ということである。 駄菓子が好きでも落

          「そらまめをむこう!」子どもといっしょに!おいしい入門(その5)

          「偏食っ子に!ぺったんこおにぎり」子どもといっしょに!おいしい入門(その4)

          嫌いな食べ物はありますか。私はウニとかカニとかイクラとか、海の幸が苦手だ。味もダメだが、海の幸は大人が酒の席で楽しそうにむしゃぶりついているイメージが強くてどうも受け入れ難い。「異世界の禁断の食い物を喰らう大人を覗いてしまった」と、子ども時代の記憶が少々連想経路を捻じ曲げて、正しい味覚と嗅覚が遮断されてしまっている。海鮮が好きな母親が「これは大人の食べ物よ」と独り占めしていたせいもある。「カニ味噌はウンコなのよ」と嘘もついていた。ウンコを喰らう親を見せつけるのもどうかと思うが

          「偏食っ子に!ぺったんこおにぎり」子どもといっしょに!おいしい入門(その4)

          「カタヌキ クッキーを焼こう!」子どもといっしょに!おいしい入門(その3)

          子どもはどうしてyoutubeが好きなんだろう。あんなものは害でしかないと、スクールカウンセラーとして「見せない方がいい」という立場でアドバイスしてきた。でも実際、自分が子どもをもつとどんなに頑張ってもyoutubeから逃れることはできないのだと痛感する。家にテレビやタブレットがないとか、親も全く見ないとか、相当な覚悟と厳重な環境がないと難しい。 我が家の娘も遊びのアイデアは大体youtube由来である。散財系や下品なものは除いて、子どもが興味をもったものは一緒に楽しむこと

          「カタヌキ クッキーを焼こう!」子どもといっしょに!おいしい入門(その3)

          こどもといっしょに!おいしい入門(その2)「お米を研ごう!」

          うちの娘たちは白米をおかずに白米を食べられるほどの米好きである。長らく偏食だった長女の栄養を支えたのは紛れもなく塩むすびであり、そこから食べることの楽しみや料理への興味が広がっていったように思う。 子どもにとって米は最も身近で手軽な教材になる。パラパラザラザラと、米を手に取れば手先が刺激されて、粘土などの感覚遊びと同様に、想像力や思考力を高めることが期待される。しかし、無計画に米びつを触らせてしまうと、米びつが砂場と化してしまう。米をばらまかれたり、米に人形を埋められたらた

          こどもといっしょに!おいしい入門(その2)「お米を研ごう!」

          子どもといっしょに!おいしい入門(その1)「おいしいとは何か」

          うちには6歳と2歳の姉妹がいる。彼女たちは毎日夕飯の支度を手伝ってくれる。私が楽できるわけではないので「お手伝い」と言っていいものか悩むところだが、お互いに無理のない範囲で「おいしいとは何か」を考えるきっかけをつくりたいと思っている。つまり、料理を学ぶことよりも「おいしいの入口」に立つことを目的としている。私はこの取り組みを「おいしい入門」と呼ぶことにした。 「おいしい」とは特別なことではない。一流レストランの味やSNS映えするスイーツなど、ごちそうを指しているわけではない

          子どもといっしょに!おいしい入門(その1)「おいしいとは何か」