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「そらまめをむこう!」子どもといっしょに!おいしい入門(その5)

子育てとは、理想と現実のギャップにもがき苦しむものである。少々自然派に傾倒している私は、子どもが産まれたら市販より手作りのお菓子を与え、素朴な服を着せ、穏やかに図書館に通い、たくさんの本を読み聞かせするつもりでいた。ところが実際、長女はカラフルな駄菓子と地雷系ファッション、アニメに夢中である。これは一体どうしたことか。発達や教育心理のノウハウをもった私が育ててもこの結果である。たどり着いた答えは「その子のもって生まれた性質には抗えない」ということである。

駄菓子が好きでも落ち込むことはない。親が当たり前のように毎日ごはんを作り続ける限り、その日常は子どもの心と身体に馴染んでいくはずである。先日、晩御飯に味噌汁を作り忘れた時、長女に「どうして今日はお味噌汁がないの?」と残念がられた。なるほど、「あっても何とも思わないが、ないとちょっと寂しいもの」が、私の作る毎日のごはんなんだと思った。これはなんだか嬉しい発見だった。

「読書」についても悩んだ。長女は全く絵本に興味がなく、きちんと聞けるよその子が羨ましかった。でも諦めず、本がある環境をつくり、私自身が本を手に取ることはやめなかった。どうやら小さい頃は「読書よりも楽しいことが他にもある」という好奇心が気を散らせていたようだが、「そらまめくん」のように、生活に結びつけて考えるようになると、徐々に読書の楽しさもわかってきたように見える。

そらまめの記事をまとめていたら6月になってしまった。もうほとんどそらまめは市場に出回っていない。そらまめは傷むのが早い。あっという間にそらまめの季節は終わった。だからこそ「今しかできない経験」を子どもたちと積み重ねて行きたいと思う。そらまめを通して感じられる子どもたちの成長を、来年も楽しみにしている。そらまめくん、ありがとう。

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