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こどもといっしょに!おいしい入門(その2)「お米を研ごう!」

うちの娘たちは白米をおかずに白米を食べられるほどの米好きである。長らく偏食だった長女の栄養を支えたのは紛れもなく塩むすびであり、そこから食べることの楽しみや料理への興味が広がっていったように思う。

子どもにとって米は最も身近で手軽な教材になる。パラパラザラザラと、米を手に取れば手先が刺激されて、粘土などの感覚遊びと同様に、想像力や思考力を高めることが期待される。しかし、無計画に米びつを触らせてしまうと、米びつが砂場と化してしまう。米をばらまかれたり、米に人形を埋められたらたまったもんじゃない。掃除機で米を吸う罪悪感は2度と味わいたくはない。経験上、「食材は遊ぶものではない」という線引きは必要である。

米はほとんど毎日食べるものなので、「家族のために米を炊く」という役割が定着しやすい。子どもが自分を「家族の一員」だと感じ、仕事を「任されている」信頼感のもと役割を果たすことができると、自己肯定感情が生まれる。子どもと一緒に料理をするなら、ぜひクッキーやケーキよりも、日常的な調理をまずやってみてほしい。

子どもが料理するといっても、一定水準の「おいしい」は保証されるべきで、極端にまずかったり不衛生にならないようにアシストはしている。たとえば、洗いはじめの白く濁った水はすぐに捨てないと米が糠臭くなってしまう。その後どれくらい丁寧に時間をかけて研ぐのかは子どもが自分で考え、回数を重ねて学んでいくものである。だらだらと研いでいても急かさず、大人は別の調理を進めながら、ゆったり見守ってほしい。本当に集中していると、子どもは口先を尖らせていい表情をしている。

ごはんを食べる時、他の家族に「今日は〇〇ちゃんがお米を炊いてくれたよ」と報告してみよう。「ありがとう」「おいしいね」の言葉が明日への動機づけになる。炊飯スイッチを押すだけでもいい。食への関わりは続けていくことに意味がある。自分で炊いた米はおいしいのだ。


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