自分へのプレゼント
先月、誕生日を迎えた。
好きな事に使うようにと、家族からプレゼントとして現金をもらった。
プレゼントに現金というのは味気なく感じる人もいるだろう。
でも、私はミニマリストなので、使わない物をあげるよりも自分の好きな事に使ってもらおうと考えたのだと思う。
家族の気持ちとともにありがたく頂戴し、早速何に使おうかと考えた。
家族からは物欲が全くないと思われているようだが、そんなことはない。
確かに何でもかんでも欲しいと言うわけではないけれど、それなりに欲しいものはある。
そこで、せっかくもらったお金を無駄に使うことのないよう、欲しい物をリストアップしてみた。
20個ほどのリストができた。
思ったよりも欲しいものがあった事にホッとする。
ただ、リストの中身をよくよく見ると、嗜好品の類は一切ない。
全て日用品や必需品で、それもそろそろ替え時かなというものばかりだ。
しかし、リストに挙げた物を全部買うにはもらったお金だけでは足りないし、物欲はあまりなくとも物の質や素材にはこだわりがあるので、欲しいものの一つひとつはそこそそこ値段が張る。
何を買うか厳選しなければならない。
そこで改めてリストを眺めていると、どれも必要な気もするし、どれも必要ない気もしてくる。
さて、どうしたものか。
無理して物を買わずとも、何か経験に投資するのはどうだろう。
でも、趣味が少なくインドア派の私は特に良い使い道が思いつかない。
旅行やレジャーと言っても、実家暮らしで家事を担う身では、私一人が家を空けるのは難しい。
その為の準備や帰ってからの片付けのほうにエネルギーを奪われてしまう。
かといって家族みんなで出かけたのではプレゼントの意味がないような気がする。
となると、やはり何か物を買うほうが現実的だし私にとっても家族にとっても良さそうだ。
今自分の中で強く候補に上がっているのは眼鏡だ。
私は視力が悪いのでメガネは必需品だし、今使っているものは随分前に買ったものでレンズに傷も目立つようになったのでそろそろ新調しても良い頃だと思う。
でも、いざ買おうとなるとまだ使えるしなとか、他のものに使った方が良いのでは?などという迷いが生じる。
要は優柔不断なのだ。
欲しいものが多すぎて困る母や弟からしたら考えられないような悩みだと思う。
困るのは、買ったはいいけどそれが失敗だった場合、プレゼントのお金で買った手前処分しづらいと言うことだ。
そのことがますます私の決断を遅らせる要因になっている。
私は、贈り物をした相手がその贈り物を売ろうが捨てようが一度自分の手から離れたものに何の執着もないので構わないけれど、そうでない人もいる。
贈った人の気持ちを考えろとか、大切に使って欲しいとか、物だけでなく自分の気持ちも同時に押し付けてくる人もいるのだ。
私の家族はその気がある。
ふとした折に、そういえばプレゼントのあれどうした?などと聞かれたら気まずいことこの上ない。
さて、どうしたものか。
もう少しじっくり考える事にしよう。
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