小川糸さんの小説『にじいろガーデン』を読んで
小川糸さんの小説『にじいろガーデン』を読みました。
初めて糸さんの小説を読みましたが、もっとほっこりする内容かと思いきや、深く考えさせられるテーマであり、最後の方は涙してしまいました。
私が糸さんの作品を手に取ったきっかけは、『これだけで、幸せ-小川糸の少なく暮らす29カ条』(講談社)という糸さんのエッセイ。
ちょうど片付けや収納にはまっていた時に新聞で紹介されているのを見て興味を持ち、たまたま図書館でそのエッセイを見つけて借りて来ました。
そのエッセイから、糸さんのシンプルで心地よい生き方に触れ、ぜひ小説も読んでみたいなと思って手に取ったのが『にじいろガーデン』です。
この作品は、とあることがきっかけで出会った一児の母・泉と、女子高生・千代子が家族として子供を育て、愛し合い、葛藤する物語です。
一見ほのぼのした家族愛の物語に見えますが、同性愛、家族の在り方、親子・夫婦の確執、偏見、病気など、深く考えさせられるテーマがちりばめられています。
ラストは悲しいのだけれど、ただ悲しいだけで終わらない、どこか胸に温かさが残る終わり方で、そこに糸さんらしさを感じます。
普段は滅多に女性作家の小説は読まないのですが、これを機に糸さんのほかの小説も読んでみたいと思います。
それにしても、30歳を過ぎてから涙腺がもろくなったような気がします。
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