2016年2月の記事一覧
ドリーム・キャッチ (にぎやかな静寂)
何年か前のこと。
何気なくテレビのバラエティー番組を見ていたら、男性ばかり六、七人の出演者が横一列に並んでフリー・トークをする場面があった。すると、お笑いグループのメンバーのH.Kが、自分の位置から歩き出して、突然共演者のひとりの股間をぎゅっと掴んだ。
その共演者(誰かは忘れてしまった)は、前を両手で庇いながら、ぐっと腰を引いた。そして膝を曲げてお尻を後ろに突き出したいわゆる「いや~ん」のポ
「紙ジャケ」 掌編小説
ある日彼女はリサイクル・ショップに出かけた。息子が使わなくなったゲーム・ソフトを買い取ってもらうためだ。
一緒に来るかと訊いたが、けっきょく息子は来なかった。手放すつもりのソフトが幾らにもならないと踏んでのことだろう。売れたお金は僕にちょうだいよ、と言っただけだ。
休日のリサイクル・ショップは人で溢れていた。息子が来ないのならば平日の空いているときにひとりで来ればよかったと思った。
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