石川県立図書館、出会いの場所
好きなものに出会いに行こうというテーマで石川県を旅してきました。
金沢でお邪魔したのが石川県立図書館。
半円状に本棚や通路が何層も重なり、ドーム形の天井は高く吹き抜けている。
初めて来たが予習したように見たことある場所だった。
面影の理由はここでライブが行われたからだ。(まぁwebで調べてはいるのだけれど)
金沢で活動する蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの1月公演である。スクールアイドルの甲子園とも呼ぶべき大会に敗れた高校生たちが応援してくれた人たちに感謝を伝える時間。ありがとうとこれからを歌い、第二章の始まりを告げた日だった。
静かなイメージの図書館で歌って踊って歓声が沸く。ライブという非日常を加速させたおもしろいステージだったので普段の姿も見てみたいと思った。いわば聖地巡礼である。
しかし、図書館としては他と変わらなかった。ゆっくり本を楽しむ人や勉強に集中する人が集まる場所だ。大きな音は聴こえない。観光で来て写真を撮る私は不審者のように周りを窺ってからシャッターを切っていた。
図書館を歩いていると引力が起こる。たくさん並ぶ中に目が合う本がある。
インターネットだと調べたいことしか見られないからそうはいかない。
金沢の昔の地図、和菓子の製法…これから私が向かおうとしているものに関係する本で思わずページをめくってしまう。思いもよらない情報で充実する。
響くことをクリティカルに教えてくれるなんて、私のこと分かっているじゃないか。
本と出会うための工夫が多いと感じた。
曲線で並ぶ本棚は本と正面で向き合う回数が増える。進行方向と並行に並ぶ本棚だと顔を向けないと捉えられない。
工芸品の展示や企画展は本棚へ誘い込む蜜だ。
そして、印象に残るデザインでありながらも洗練された建築は図書館を訪れたいという思いを引き起こす。まんまと誘い出された私みたいに。
出会いは始まりである。開いた和菓子の本で興味を持った店をスケジュールに加えた。行けてよかった。ありがとう。
そのおかげで行けなくなった場所があるけど、ごめんねはいりません。
聖地巡礼という行為をほとんどしたことがなかった。
今を追いかけるので精いっぱいだ。実は蓮ノ空の配信もまだ見てないのが結構ある。ネタバレは自分が悪いので許容。
それに行ったとて特別なことが起きるわけではないのだ。
とろくて、無駄に冷静な私には足が重かった。
今回、聖地へ向かったのは図書館が元々好きで、蓮ノ空が好きで、他に金沢に行きたい理由があったから。
重なった好きが足を動かしてくれた。
行ってよかったと思う。
出会えたことで楽しい旅になったから。
本というのは何かを伝えたいという情熱の塊である。
熱さが届けば、誰かの物語からみんなの物語につながっていく。
この図書館で歌われた曲「Special Thanks」は日野下花帆が初めて一人で作詞した曲だった。
本好きな彼女が「私の夢」から「私たちの夢へ」そう綴った意味がここへ来たことで分かった気がした。
イベントが始まるらしい!行ける方うらやましい…
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