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【5/6 観戦記】巡り巡って横浜

仕事終わりだしのんびりと野球を楽しもう。そんなつもりで取ったチケットだった。
前日にニュースが入った。5年ぶりにベイスターズに戻ってきた筒香嘉智が一軍に来る。いつも以上にワクワクして力が入っちゃう試合になりそうだ。

試合前からにぎやかで青く染まる横浜スタジアム。いまでは普通の光景だけど、かつては空席のオレンジの方が目立つぐらいだったと思う。
筒香っていう若手が気持ちの良いホームランを見せてくれて、キャプテンとしてチームを盛り上げてくれたのが横浜の変わり始めだった。

2016年、24歳。まだ頭を叩かれる側でした。

いまスタジアムにいるファンの中には筒香のプレーを見たことがない人だってたくさんいる。それでも筒香が旅立った時と同じ熱気のハマスタで迎えられたのはなんだか誇らしかった。
「筒香って選手が横浜におってな―」などと語り部にはならないけれど、「今日で筒香のことを好きになってください」と言いたげにして試合開始を待っていた。

アメリカではたくさんの球団を渡り歩いた。実力の世界で何度も契約を獲得できたのは期待してもらえるから。次の球団が決まったって知るだけでもうれしかった。
そんな旅の中で少し話したことがあるというジャクソンがベイスターズの先発。巡り合わせだ。

試合は劣勢だった。けれど、筒香が守るレフトに打球が上がるたびに、筒香が打席に立つたびにハマスタがワクワクしていた。いつもよりもっと楽しいよね?

ビハインドの8回ウラ。筒香の後任を任された佐野がタイムリーで頼もしい姿を見せる。新キャプテンの牧は三振に倒れるも四番の後ろを任され続けた宮﨑が繋ぐ。巡ってきた打席は一発逆転の舞台。
きっとやってくれると思い出が言っている。さあ来いとファンが待っている。みんな同じものを思い浮かべていたと思う。
投じられた速球を一振りで。その瞬間にハマスタが総立ちになった。あの時と変わらない高揚感。

お帰りなさい!
また一緒に夢を追えることに感謝をしながら―


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