世田谷区と高校野球②
前回、世田谷区の野球部を半分まで紹介させて頂いた。
今回は残り半分の9校を。後半も全国的に有名な高校や、今後の飛躍が期待できそうな高校が名前を連ねる。
当然野球だけが高校生活の全てでは無いが、3年間硬式野球に取り組みたいと考えている中学生や、東京の高校野球に興味のある方の小さなきっかけにでもなってくれたらと思う。
①千歳ヶ丘
世田谷区船橋にある創立75年以上の歴史を有する伝統校である。
新校舎・新グラウンドの整備と2・3年は非常に大変な環境下で練習を行いながらも、着実に力のあるチームを作っており、今年は全国レベルを体感する為に大阪遠征を行うなど、今後の活躍が大いに期待できる。
「甲子園出場」を改めて目標に掲げ、今年の秋季大会ではベスト32。過去2012年にはベスト8まで進出している。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト8
●練習場所/校庭
●練習時間/週6日
②筑波大駒場
池尻に校舎を構え、中高一貫教育を提供する国立男子中学校・高等学校。通称は「筑駒」(つくこま)国立の中学校・高等学校では唯一の男子校でもある。
大学受験においては、主に東京大学への高い合格率を誇る学校として知られ、入試及びJJMO他、国際大会でも圧倒的な結果を残すなど非常に高い学力を持つ。
野球では大会でなかなか結果は残せていないが、野手陣は力強いスイングを放ち投手陣もしっかりと投げ込める力量はある為、身体を作っていければ今後上位へ進出する可能性は大いだ。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会2回戦
●練習場所/校庭
●練習時間/週4~6日
③世田谷学園
都世田谷区三宿に所在。曹洞宗が運営し中高一貫教育を提供する私立男子中学校・高等学校。
柔道が非常に有名な同校の野球部も、1993年に甲子園大会へ出場を果たしている古豪。
今年の夏季東京大会でもベスト8まで勝ち進むなど、近年再び力を取り戻している。
学校内にある野球部グラウンドは他部活との兼用で、全面が使える日は週3回。全面が使えない日はグラウンドに隣接されている室内練習場で、トレーニングをする
スポーツ推薦を導入しており、また有名シニアや野球部卒の実力のある選手が毎年のように集い、力を蓄え再び聖地を目指している。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト8
●練習場所/校庭
●練習時間/週6日
●主なOB /清水貴之(元ソフトバンク)竹脇大貴(BC武蔵)他
④都市大等々力
自然豊かで人気のエリア「等々力」に校舎を構える併設型の中高一貫校。創部してまだ10年未満の若いチームだが、今年の秋季大会では甲子園出場経験のある古豪「岩倉」相手に2点差の好ゲームを演じ、また夏季大会でも「日大三」を点差以上に苦しめた。成長発展・進化の余地は大いに残している。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会3回戦
●練習場所/校庭
●練習時間/週4~6日
⑤日大櫻丘
桜上水にある日本大学付属の私立高等学校。通称「ニッサク」の同校は、1972年選抜高校野球大会において「仲根正広」を擁し初出場・初優勝の偉業を成し遂げている。同年夏の甲子園大会にも連続で出場している古豪だ。
2017年にグラウンド・ブルペンが完成したことで、実践を意識した練習の強化が可能になり、他にも「科学分析」やそれによる「研究発表」など先端技術や取り組みを導入し、再び聖地へ戻る準備を進め、力を蓄えている。
今年の夏季大会でもベスト16まで勝ち進んでおり、古豪復活も近い。
【プロフィール】
●夏季最高成績/甲子園出場(1回戦敗退)
●練習場所/校庭・府中市民・大田スタジアム 他
●練習時間/週6日
●主なOB /仲根正広(元中日)佐藤隆太(俳優)
⑥成城学園
「高級住宅街」の成城に校舎を構える、併設型中高一貫校。
業界問わずかなりの数の著名者を輩出する名門校の野球部は、他の高校とはまた違った特色を示す。
中高一貫校である強みを生かし、同校中学野球部から「硬式」でプレーをし、高校野球を早くも意識し活動している。(※また、野球部はポニーリーグに参戦「成城学園ボーイズ」)
早くから6年間共にする仲間と常に切磋琢磨し高めあえる環境を作ることが出来、2010年、2011年夏季東京大会ではベスト16と、安定した実力と底力を宿すのだ。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト16
●練習場所/校庭 他
●練習時間/週5~6日
⑦駒澤大学高
1948年創立と歴史と伝統のある高校。上用賀に校舎を置き、95年には男子校から共学へ。「駒澤大学」附属校では唯一、大学と同じユニフォームデザインの同校は、1999年「第71回選抜」で春の甲子園に出場している。
その後もコンスタントに上位へ進出しており、近年で言えば2012年夏季東京大会ではベスト8。2017年、2018年には2年連続でベスト16まで進出と非常に力がある。
好投手・好選手を毎年擁し、再び東京大会を制覇する底力は常にある。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会準優勝
●練習場所/校庭・駒大グラウンド他
●練習時間/週6日
●主なOB /森繁和(元中日監督)
野球部Twitter : https://twitter.com/komakouyakyubu?lang=ja
⑧駒場学園
アメリカンフットボールの強豪として知られる同校は、2006年に夏季東京大会でベスト4。2009年にベスト8。2014年にベスト8の実績を誇り、プロ野球選手も輩出している中堅校。
学校のグラウンドの他に、学校・ネッツ多摩昭島球場・府中市民球場・神宮室内などを利用しながら、過去の成績を超えて、「甲子園出場」を目指している。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト4
●練習場所/校庭・多摩昭島球場。府中市民球場 他
●練習時間/週6日
●主なOB /那須野巧(元ロッテ)遠藤一星(中日)他
⑨国士舘
東京を代表する強豪校。春の選抜には10度の出場を誇り、「春の国士舘」とも称されている。夏の選手権は「東東京」時代の2005年に出場を果たしている。
昨年の2019年に秋季大会を制し前年に続く「2連覇」を達成。
国士舘大学多摩キャンパス内のグラウンドを使用しており、環境面も良い。
毎年多くの実力のある選手を作り上げ、2013年に「西東京」へ再び戻ってからも変わらず上位へ顔を見せている故に2度目となる夏の甲子園大会への出場は悲願であろう。
2016年に同大学野球部から、名将「永田昌弘」監督が復帰し再び力を取り戻したようにも見える。夏の東京大会制覇ももうすぐだ。
【プロフィール】
●夏季最高成績/甲子園出場(2回戦敗退)
●練習場所/大学グラウンド(多摩)
●練習時間/週5~6日
●主なOB /新垣勇人(元日ハム)久固健太郎(元ヤクルト)他
世田谷区はそれぞれ自校のグラウンドや、近隣の球場を利用し練習に励む高校が多い。都心の一等地に校舎を置く高校よりは「環境」という面では充実している。