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新宿区と高校野球

「日本での1番の繁華街」とも呼ばれる大都会新宿。
西新宿エリアのオフィス街や、歌舞伎町に代表される歓楽街、いずれも様々なところからたくさんの人が集まってくる場所として有名であるが、一方「神楽坂」や「早稲田」など、昔ながらの風情を残し、そして多くの学生や社会人が行き交う街でもある。

今回はそんな大都会に校舎を構え、白球を追う野球部を紹介させて頂く。

①成城

成城

中高一貫の男子校。
創立は1885年、今年で130周年という伝統校。
かつては陸軍士官学校として明治時代から国力の強化を支え、また日本で初めて臨海学校、林間学校を開設した学校としても知られている同校。

今年の夏季東京大会はベスト16まで勝ち進み、優勝を果たした「帝京」相手に善戦した。
他、2018年にも4回戦まで進むなど、爆発すれば上位まで勝ち進める力は秘めている。年始には近隣の清掃活動を行うなど、野球以外の取り組みも真摯である。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト16
●練習場所/校庭
●練習時間/週5~6日

②戸山

戸山

難関国公立大学に一定の現役合格者を輩出する東京都進学指導重点校や、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクールの指定を受ける進学校として有名である都立高校。
同校野球部も4年前の秋季東京大会の本大会まで出場するなど、力を入れて取り組んでいる。

しかし他の部活等の兼ね合いで練習は平日週3日。土日は遠征を行い練習試合やバッティングを鍛えている。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会3回戦(近年)
●練習場所/校庭
●練習時間/週5日

③早稲田

早稲田

高等学校においては生徒を募集しない完全中高一貫校の男子校。
「早稲田」を冠したのは本校が大学よりも先である。

創立135年の伝統校故に、野球部の歴史もかなり古いものを持つ。
平日は約2時間と短い練習時間ながら、強豪校に喰らい付いている。

「早稲田実業(早実)」「早稲田大学高等学院(早大学院)」に並び、「WASEDA」を胸に刻む同校野球部の飛躍を期待したい。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト16(近年)
●練習場所/校庭
●練習時間/週5~6日
●主なOB /池田豊(中日初代監督)他

④新宿

新宿

東京都を代表する進学校であり、2016年公開の映画『君の名は。』に登場する高校のモデルになっている(外観・場所のみ)
野球部は「新宿三丁目駅」「新宿駅」が最寄りの都心に校舎を構え、辺りは高層ビル群に囲まれている。

「自主・自律」の校訓に基づき、週5日・他部活動と併用で広々と使用できないながらも、非常によく選手たちが考え集中して練習に取り組み、学業も決して疎かにしない。 一人一人が意識が高く、今後勝ち進み上位へ進出も期待できる都立の星だ。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会3回戦
●練習場所/校庭
●練習時間/週5日

⑤目白研心

メジロ検診

上記で紹介させて頂いた成長著しい高校。共学へと変わり創部11年の若い高校である。
平日は新宿キャンパスの他、駒沢球場・立川球場など各地施設を利用し練習に励んでいる。
充分に実力校と戦い抜ける力はあり、数年前には日大三高を下している。東東京のダークホースになりうる存在であり、確立する強豪校への道を着実に進んでいる。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会3回戦
●練習場所/校庭・駒沢球場 他
●練習時間/週6日

⑥海城

海城

数多くの最難関大学への進学者を毎年多数輩出している名門校。現在は高校からの新規募集を停止した「完全中高一貫校」

人工芝の本校グラウンドの他、外部施設(神宮室内球技場、江戶川球場、駒沢球場など)を利用し練習に励む。
今年2020年の秋季大会では西東京の都立の中堅校「武蔵村山」を下し本大会出場を果たしている。
1回戦で惜しくも敗退してしまったものの、初回にフェンス直撃打を放つなど一発の攻撃力は非常に面白いものを持っている。

全国的に有名な進学校での、勉学との両立は難しいが。今よりも身体を作り上げれば充分に今後勝ち上がっていくことも可能である。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト16
●練習場所/校庭・江戸川球場 他
●練習時間/週5~6日
●寺島達夫(元東映)鈴木龍二(元セリーグ3代目会長)


新宿区の高等学校は特に学業に非常に力を入れている高校が多い。
その中でビル群に囲まれたグラウンドでは満足に広々と練習に取り組むのは都心の高校ならではの悩みである。

それでも選手一人一人が工夫を凝らし、練習に取り組んでいる。
なかなか勝ち進めていない高校でも非常に力強さと可能性は感じる。