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アイドル×ダイエットの危険性ーーメディア関係者として、ファンとして気をつけたいこと

以前から危険を感じているトピックです。

最も尊敬する「元アイドル」のひとりから、アイドル時代にハマってしまった過激なダイエットについての告白がありました。

悪気なくアイドル追い詰めてしまうファンからの言葉や、当時の心境が詰まっています。ご本人が動画内でお話しているよう、異常なので、観て欲しいです。「お母さんが上京したときだけは、心配かけないように甘いものを食べていた」というのもリアルでした。

私はこれまで、数々のアイドルをインタビューをしてきましたが、苦労エピソードとして、よくダイエットの話をされます。

彼女たちは、容姿が仕事に直結する職業だけに、「私は頑張ってきた」と、とてもいきいきとした表情で語ります。彼女たちの努力は素晴らしいし、悪気なんてありません。ファンのために「可愛い私」であろうと、みんな必死です。そのまっすぐな気持ちを否定するつもりは、まったくありません。

一方、ダイエットの神格化はとても危険です。発信する情報については、大人がきちんと編集するべきだと考えています。とくに、身体が出来上がる前の若い子に対しては、より慎重になるべきです。

努力エピソードをファンから「○○ちゃんさすが!」「プロ意識が高い!」と持ち上げられて、さらにダイエットハイになってしまう危険性を、関わる大人は意識して欲しいです。若いファンが「○○ちゃんみたいに細くなりたい」と憧れて、過激なダイエットに走る可能性もあります。

私は、インタビューでそういったエピソードに出会うたびに「この発言を出すかどうか」とても慎重に考えています。少なくとも、「○○しか食べないで我慢しました」など、過激な食事制限に関する発言は、これまで企画担当したインタビューでは、すべてカットしてきました。

若いアイドルのダイエットは、ファンとしても、関わる大人としても、とても心配です。

もちろん、体づくりはプロとして必要だと思います。でも、過激なものを持ち上げたり、成長期の揺らぎを否定したり「劣化」などとしたりするのは、絶対におかしいと思います。気遣いとしての「○○ちゃん、拒食症じゃない?」「吐いてる?」も危険です。そもそも、医療知識がない人間が、他人を勝手に診断してはいけません。

プロのアイドルならば、「今日は顔が浮腫んでいるな」とか、自分のコンディションは把握しています。みんなわかっているからこそ、ファンからのダメ出しはやめて欲しいです。また、褒め言葉としての「痩せて可愛くなった!」も、グッと我慢して「可愛くなった!」でコメントするのがいいのかなと感じています。

無理なダイエットは、身体と精神に深刻なダメージを与えます。「アイドルだから、美意識は持たなきゃ」と、真面目な子ほど、頑張り過ぎてしまいます。

ネガティブな文脈でお名前は出したくないので、個別事例の明示は避けましたが、メジャーなアイドルでも、激痩せしてしまった方は多数います。過去には、事務所が「ダイエット企画」を銘打ったケースもありました。

アイドルはみんな、存在しているだけで、特別。立っているだけで、可愛い。

現場からは、以上です。

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