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うまし糧を求めて

さして食にこだわりはない方だが、人並みに美味しいものが好きだ。

幾つかある食物のアレルギーとは別に味の好みの問題もあり、これぞ!という好みの食べ物に巡り合った時の喜びはひとしおである。
最近の一推しは、会津若松市のおはぎ専門店『あんことおはぎ 日々餡』さんのおはぎ。

創業から100年以上あんこを作り続けてきた岩村製餡工場さんがコロナ禍の2021年にオープンさせた直営店であり、工場でつくりたての餡を使ったおはぎや大福、羊羹などが店頭に陳列されている。

『日々餡』さんの餡の特徴は「甘すぎない」ことだ。

さらりと舌の上で溶ける上品さでありながらもしっかりと甘いのに、甘すぎることはない。だからついつい何個でも食べてしまう。
公式サイトによれば、一般的なおはぎは餡の糖度が55度前後であるのに対して、日々餡さんは餡の糖度を35度に抑えつつ塩味を効かせているそうな。
店頭売りの生菓子は基本的に当日もしくは翌日までの賞味期限なので、日持ちさせることを考えず極限まで砂糖を減らせたということなのだろうか。

『日々餡』さんの商品は、基本的には工場隣の直営店でしか買えない。
たまに各地のイベントに出店したり、物産館に卸したりすることもあるが、確実に購入したければ直営店に行くしかない。
そのお店は日・月曜日が休業日で、営業日はおはぎや大福が売り切れ次第閉店なので、私の休日である土曜日の午前中の最優先事項は日々餡詣でになる。
先日の3周年感謝祭の日も、早朝から車を飛ばして店頭に滑り込み、七福おはぎとフルーツ大福と羊羹と串団子とつぶ餡のおはぎと季節限定の桜餅、そして袋売りのこし餡を購入(ノベルティグッズも強運発動で無事入手)し、地元へトンボ帰りした。
観光もしたまえよと思う気持ちもあるが、一刻も早く食べたかったのでお許しいただきたい。
観光は観光で別な予定を組んでまた来ることにしつつ、本日の最大のお目当てである「会津七福おはぎ」に舌鼓を打った。

この春の新商品「会津七福おはぎ」

当日購入した時はイベント限定商品だと思い込んでいたが、@Pressさんに掲載されたプレスリリースを拝読したところ、会津観光土産として開発され2024年4月5日から発売された新商品のようだ。
(ということは、いずれは駅などで買えるようになるのだろうか?)

モチーフになっている会津の観光名物である赤べこ・鶴ヶ城・八重の桜・磐梯山・起き上がり小法師・白虎隊が、わっぱの蓋にデザインされている。

当日の戦利品。左下が「会津七福おはぎ」

今冷静になって見返すと、蓋と中身をワンショットで撮っていないのが悔やまれる。すぐにも食べたくて慌てて撮ってしまったから……。
写真を撮れなかったので、手持ちの画像で作ってみた。

つまりこういうこと?

赤べこ=赤(カシス餡)・黒(ごま餡)
鶴ヶ城=小豆色(つぶ餡)
磐梯山=緑(抹茶餡)
新島八重(八重の桜)=桜色(桜餡)
白虎隊=白(てぼ餡(白餡))
小法師=赤・白(梅餡)
※鶴ヶ城に使われている瓦は「赤瓦」だが、実際には小豆色に近い。

この辺は超個人的解釈なので、正解かどうかはわからない。
しかしながら、会津をよく知らない他県の方の参考くらいにはなるのではなかろうか。

会津の観光名物をモチーフにした餡で彩られた七色のおはぎは、通常商品の「七福おはぎ」とはまた違った華やかな色合いと味わいで、新鮮な驚きがあった。
これは私の思い込みなのかもしれないが、中につぶ餡が入ったおはぎもある「七福おはぎ」と違い、もちもちの米の外側を餡で包むタイプのおはぎが多く、餡そのものをしっかり味わってもらうためか餡が厚めに感じた。

特にケーキやカクテル、氷菓(ソルベ)の印象が強いカシス(日本で言う黒すぐり、英語ではブラックカラント。カシスはフランス名だそうな)味の餡は口に入れた瞬間目が覚めるようなベリーの味わいが洋風スイーツを思わせるし、抹茶餡は予想以上にしっかりと抹茶の風味がして、とても満足感があった。
(そういえばカシスはシャーベットでなくソルベと呼ぶことが多いなと思ったら、ソルベはフランス語の「氷菓」で、れっきとした仏+仏表記だった。これが英+英表記だとブラックカラントシャーベットになるのかと思いきや、日本では仏+英表記のカシスシャーベットが主流らしい。不思議。)

思い返しながら書いていたら、食べたばかりなのにまたおはぎの口になってきた。次に会津に行ける休日が待ち遠しいばかりである。
 

余談だが、『日々餡』さんのおはぎは2024年4月5日現在磐越西線で運行しているJR東日本の観光列車「あいづSATONO」の車内でも食べることができる。

こちらは乗車前に予約が必要になるが、磐梯山(ずんだ)・鶴ヶ城(つぶ餡)・日中線の桜(桜餡)をモチーフにしたオリジナルの三色おはぎを味わいながら福島県を旅してみてはいかがだろうか。

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