久保選手を真ん中に置くだけの簡単なお仕事です

以下、敬称略。

サッカーの監督というのは、ファンが見たいと思っているフォーメーションをことごとくはずしてくるような印象がある。

ただ、チームの形を決めるのは監督であるし、毎日選手のトレーニングの状況も見ているのだから、ファンよりも監督の選択が正しいと考えるのが普通だろう。

しかし同時に、チームのパフォーマンスを最大化することも監督の重要な役割と言える。これは1試合でもそうだし、シーズン通しての意味でもある。

時には監督のやりたい形をチームが勝つために変えることができるかどうかは監督としての資質のひとつになると思う。

リバプールのスロット監督は自分の形にこだわって試合を落とした。
レアルマドリードもこの点においてエムバペを獲得したことで苦労している。

ワールドカップ最終予選の前に、久保は真ん中に置いた方が良いと記事で書いた。同時にアルグアシル監督は久保を真ん中に置く可能性は低いとも書いた。

代表戦では森保監督が久保をシャドーの位置に置いて結果を出した。
そして、代表戦後のレアルマドリード戦でアルグアシル監督はやはり久保を真ん中に置かなかった。

今のソシエダのパフォーマンスを最大化するには久保を真ん中に置くのが良いのだが、どうやらそれをすることはなさそうである。

だが、その一方でレアルマドリード戦では今までよりは明るい兆しの見えるパフォーマンスだったと思う。

しかし、いくつか問題もある。

①ビルドアップをスビメンディに頼ってしまっていること。
これは久保を中央に配置することで解決することができる。

②シュートを3回もバーとポストに当ててしまったこと。
これはやや問題である。
3回目のポスト直撃はやや難しい形であるものの、左足でトラップしたあと、わざわざ左足でシュートするためのモーションがあったため、その間にコースを消されてしまった。そういう意味では技術不足とも言える。
そういえば、他の選手だと運がないと言われるのに久保の場合は決定力がないと言われるのはかなりおかしな発言のように思える。

そして問題は最初の二つ。
ひとつ目のポスト直撃はほぼフリーの状態でシュートコースも空いていた。
二つ目のバー直撃はベッカーがディフェンスを一枚はがしたことで最初のポスト直撃とほぼ同じ状況を作り出した。ただ、おそらくベッカーは逆足だった。

これらのシュートに関して、運がなかったと考えているなら今後も試合に勝つのは難しいだろう。なぜなら、スポーツにおいて「運」と言えるようなものはないからである。というのも、スポーツは物理学の支配下にあり、それに抗いながら身体や技術を鍛えることで成立している。

もし、スポーツに「運」があるとしたら、物理学においても「運」が存在することになる。これはありえない。

つまり、「運」ではなく技術力がないためにシュートをバーやポストに当てたということである。上記にも書いたが、久保の場合だと決定力がないと言っているのだから「運」ではないことはわかるはずだ。

③オヤルサバルとメンデスをどう起用するか。
ここにきて連携らしいものも見られたが、それは新戦力によるもの。オヤルサバルとメンデス、特にメンデスが同じような連携ができるとは思えない。

だから、メンデスが復帰した場合どうなるかというのは監督の腕の見せ所と言える。
同様に、オヤルサバルの使い方も難しい気がする。特に最近の4-3-3へのこだわりはオヤルサバル前提だろう。


実のところ、ソシエダの問題点の多くは久保を真ん中に置くだけで解決できると個人的には思っている。特に、新戦力の出来を見る限りなおさらだと思う。

果たしてアルグアシル監督はチームのパフォーマンスを最大化できるだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?