夏音

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もうすぐ夏が来る。

君はきっとまた、蝉が最初に鳴く日を見つけるんだろう。
それをいつか僕にしたみたいに、誰かに教えてあげるのかな。

向日葵は叶わない恋をしているのだと君は言った。
哀しいものはきれいなのだと言った。

鼻の頭にかいた汗。
転がるラムネのビー玉の色。
くたびれたレディオヘッドのTシャツ。
埃をかぶった写真立て。

そんなものばっか僕に残して君は上手に消えていく。
ここじゃ蝉が鳴いても、きっともう誰も気づかないね。

もうすぐ夏が来る。
二度と戻らない夏が来る。
そんなこと、どうか告げないでいて。

好きだったんだ。

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