NPTってなに_アートボード_1

NPT-核不拡散条約-って何?

NPTって知ってる?

みなさんこんにちは!ユースの田中美穂です。
NPT再検討会議に派遣されることが決まって以来、私の中でこの会議参加がビッグイベントになり、関連記事やイベントの情報をキャッチするようになりました。しかしある時ふと、「いやでも、自分が行くから今関心が高まってるけど、周りはどうなんだろう?」と思い、instagramでアンケートを取ってみました。その結果がこちら!

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インスタだけでは不安だったので、google formで、今度は少し詳しく聞いてみました。

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上と同じ質問で46人の方から回答を得ることができました。4つの選択肢から選んでもらった結果、大きく分けて「知っている」と「知らない」が半々に。

よく知っている・・・23.9%(11人)
何となく分かる・・・26.1%(12人)
聞いたことあるくらい・・・15.2%(7人)
知らない/初めて聞いた・・・34.8%(16人)

アンケート対象は私のSNSなので、そもそも関心がある人が多いかと思いましたが、ちゃんと知ってる人は2割程度。興味深い結果が得られたと思います。

NPTのことが分かるサイトなどがあればより多くの人に知ってもらえるな〜」と思い調べてみたところ、めっちゃ詳しくて難しかったり、そもそも日本語の情報が少なかったり、、、「もっと知ってもらうためには分かりやすい情報が必要!」と感じました。

というわけで、今回はNPTの基本情報を簡単にまとめてみました!

NPTって何?

NPT、NPTって言いますが、正式名称は「核兵器の不拡散に関する条約(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)」です。よく「核不拡散条約」と呼ばれます。

NPT3つの柱

NPTは「核不拡散」「核軍縮」「原子力の平和的利用」を3本柱とする多国間条約で、核兵器国*以外の核兵器製造や取得を禁じています。核保有国は特権的に核兵器の保有が「公認」となる代わりに、「核軍縮を誠実に交渉する」義務を負っています。この条約は1970年に発効して以来、世界の大多数の国が参加する条約として、核軍縮の中心を担ってきました。

*核兵器国・・・米、露、英、仏、中の5カ国。1967年1月1日以前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国(NPT第9条3)

現在までの流れ

ここで、条約採択から現在までの流れを下の画像で振り返りたいと思います。

NPT採択から現在1

画像にあるように、1995年に開かれたNPT再検討会議にて、条約の無期限延長と5年ごとの再検討会議実施が決まりました。今年春にNY国連本部にて開かれる予定のNPT会議は、1995年から数えて6回目の再検討会議となります。*NPT締約国一覧(2020年1月現在)はこちら

条約の成果・課題

この条約のもと、ピーク時には6万発を超えていた世界の核兵器が現在では約14,000発まで減らすことができました。その一方で、インド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮の核兵器の保有を止めることはできませんでした。当初は25年間の期限付き条約として採択されましたが、無期限延長となった今、不平等な体制が続いてしまっています

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このサイトでは世界の核兵器数の推移(1945-2017)を見ることができます。

多くの非核兵器国は、保有国がいつか核兵器を廃絶してくれると信じて、不平等な条約に付き合ってきました。しかし、核保有国は廃絶への義務を怠り、核軍縮は停滞。実際には核兵器の近代化まで推し進めています。

核兵器禁止条約の登場

この状況を見かねた非核兵器国とNGOは核兵器を法的に禁止し、すべての国の核兵器を違法にするアプローチを推し進めました。その結果、2017年に非核兵器国が中心となって核兵器禁止条約が成立しました。条約は2020年内には発効の条件である50カ国の批准を達成すると言われています。

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どうなる、今年のNPT再検討会議

今回のNPT再検討会議は、核兵器禁止条約の採択後、初めての開催となります。核兵器禁止条約を支持する非核兵器国は『核保有5カ国による核軍縮はきわめて不十分』という考え方であり、核兵器国がNPTの下での核軍縮義務を果たしていくことをどれだけ誠実に示せるかが問われています

昨年のNPT再検討会議準備委員会で両者の溝を埋められなかったことから、今回も核兵器国と非核兵器国の対立が激化し、成果をあげることはできないだろうという見方もあります。

NPT発効50年

しかし昨年の準備委員会最終日、その後IAEAの事務局長になったアルゼンチンのラファエル・グロッシ駐ウィーン国際機関代表部大使は「来年の失敗は誰の利益にもならない」と話しました。彼の言う通り、核兵器国・非核兵器国、同盟国・非同盟諸国に関係なく、核の脅威は世界中どこにいても同じように存在し、一刻も早く解決しなければならない課題であることに変わりはありません。*写真はグロッシ氏、朝日新聞(2019年8月3日)「IAEAの新事務局長にグロッシ氏立候補 天野氏の後任」より

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核兵器に関する2つの重要な条約が存在する時代が近づく今、発効50年を迎えたNPTの実効性強化に向けた議論がなされることを期待すると同時に、私たちもその行方をしっかり見守らなければいけないと思います

おわりに


簡単ではありますが、NPTについてまとめました。
「知らなかった!」「勉強になった!」と思って頂けたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回のユース企画記事もお楽しみに〜

参考資料

外務省 核兵器不拡散条約(NPT)の概要
IAEA Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons (NPT)
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA) NPTとはどんな条約ですか?
sipri World nuclear forces
NPT準備委の報告 20年に向けて <上> 核軍縮の約束 保有国 体制の合意軽視

被爆者をNPTに送ろう!

当記事は現在被爆者が呼びかけている「被爆者国連派遣募金」キャンペーンの一環として掲載しています。田中美穂や被爆者の活動を応援してくださる方はぜひ支援&情報拡散へのご協力をお願いします!


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