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お金と人間関係

今回は私の身に起きた「お金」に関することについて書こうと思います。社会を生きるうえでお金はなくてはならないもの。私は「お金」という概念について勉強することが好きで色々な書籍を読んだり、経済系のYouTuberの発信を見ています。ただ、学びというものは自身が体験することが一番身に染みるというか、経験として深く刻まれると今回の件で思い知らされました。
皆さんの意見も聞いてみたいのでお付き合いいただけると幸いです。

お金貸してください

連絡は急にきました。船(内航船)に乗っている後輩からの電話。
 後輩「○○君(私)すいません、お願いがあるんですけど…おかねを貸してくれませんか?」
 私「おお(笑)全然いいけど~またなんで?」
 後輩「ちょっとギャンブルで使いすぎちゃって食費とかタバコ代もない状態でして」
 私「そうなんだ(笑)いくら?」
 後輩「3万円貸していただけるとありがたいです。」
 私「それ現金で振り込んだらまたギャンブルに使う可能性あるからpaypayとかの方がいいんじゃない?」
 後輩「ですね。お願いします。」

ひと通りやり取りがあった後、結局1万円を現金で振り込み、2万円をpaypayで送金という形を取りました。もちろん、ギャンブルはほどほどにと釘を刺しながらです。
返済は下船中に給料日が来るのでその時に返すとのこと。なお、このことは内密にお願いしたいと。というのも私は後輩の母や親族とも知合いで、後輩も私の姉夫婦などと親交があったためです。そんなこと言いふらされればお叱りを受けるのは目に見えていますね。

私も35歳になりますが、社会人になってからというもの友達や親族などにお金を貸してくれと頼まれたことはありませんでした。
今回の依頼も借金に対するという嫌悪感というよりは、初めてのことに対する驚きと自分を頼ってくれるんだという喜びにも似た感情だった気がします。

後輩下船

後輩から連絡がきて
「返済ですが○○日でいいですか?」
と。特にいつまでに返してほしいということもなかったので
私「いつでもいいよ。そんなことより飲み行こうぜ!」
と気楽に考えていました。
飲みの日程も決まり、なんとなくその日に返済があるのかなと思っていました。当日を迎えて後輩を迎えに行きます。その時に
後輩「連れと熊本旅行に行ってきて、そこで予想以上に使い込んでしまったので返済ちょっと待ってもらっていいですか?」
と。私も急いでいるわけではなかったのではいはーいという感じでした。下船中にバイトをしてそれで返すそうな。
ただ、借金の返済が最優先じゃねーんだと少し思ったのは覚えています。

また、私の中で気になっていたことが1つありました。それは
’’なぜ私だったのか’’です。借金をする相手として頼るには順番があると思っていて、基本的には親族→親しい友人→友人→サラ金みたいな感じだろうなと。私の立場で言えば「友人」です。付き合いはそこまで長くないので親しい友人には入らないですし、そもそも先輩後輩という間柄なのでさらに借金先としては後回しなのかなと。
理由を尋ねると、親には若いころから借金をしていて今は毎月給料からいくらか返済している状態であると。確かに借りづらい。親しい友人は多趣味な人が多いらしく人にお金を貸せるほどの状態ではないと。ふむふむ。
多少の違和感を持ちつつもおおむね納得しました。
その日は居酒屋とスナックをはしごして解散。

飲み2回目

下船時の休暇は1ヶ月くらいあるので、私の都合が合えば飲みに行ける確率は高いです。ということで1回目に行けなかった姉夫婦の居酒屋へ行きました。向かう道中でバイトの事を聞いたら、雨の日が多いから作業が進まずあまり連絡が来ないとのこと。この辺で下船中の返済はないなと思いました。私自身特に何かを思ったわけではないですが、事実としてこの日に返済するというのが延び延びになっていることは確かです。
その日も飲みながら談笑し2軒目で友人が合流し楽しい時間を過ごしました。

だんだんと怪しくなっていく雲行き

タイミングさえ合えば何回でも行ける飲みですが、先輩という立場上全てご馳走しているので金銭的余裕は段々となくなっていきます。自分の首を絞めてまでやる必要はないと思うので今回は2回かなと思っていました。
そうしていると後輩からLINEが。
「本当に申し訳ないのですが、あと2万円貸してもらえないですか?支払いがどうしても足りなくて。次の給料で返すので。」
と。ここで一気にもやっと感が押し寄せてきました。とはいえ、親交のある姉夫婦などに相談すれば、後輩の顔を潰すことになってしまいます。そもそも自分の中だけに閉まっておこうと思っていました。ですが、このままお金を貸すというのも本人にとってもよくないと思い、悩んでいました。

彼女の助言

その日、たまたま彼女とランチをしていて後輩から追加の借金のLINEが来ました。彼女と後輩は全く面識がないので、思い切って彼女に相談しました。最初から事の経緯を説明しました。すると彼女は「貸すのは○○君(私)の自由だけど、お金の貸し借りは今回を最後にした方がいいと思う。」と。さらに「多分貸したお金返ってこないと思う。」と。私も薄々感じていたことをスパッと言ってくれました。
そもそも最初に貸した3万円は心のどこかで返ってこなくてもいいかと思っていました。と言うのも、返ってくることを期待していると返済を延ばされたり、一部返済だったり、はたまた返ってこなかったりと精神的なストレスが大きいと思うからです。それならいっそのことあげたと思えば精神的ダメージが少ないです。
さらに、きちんと返済されたとしても私と後輩の関係性は貸し借り以前とは変わってしまう気がします。それを見越している彼女は「たとえ貸したお金が返ってきたとしてもお金の貸し借りはもうしない方がいい。それはその子のためにもそうした方がいい。」
と。彼女の言う通りかもしれないと思いました。

補足

追加の2万円の借り入れを要求してきた際、彼女から「振込じゃなくて直接渡した方がいい、その時に○○君(私)の気持ちもきちんと伝えた方がいい。」
と言われ、その通りだと思い後輩に直接会えないかとLINEすると、今市内の方(車で約1時間)にいるから振込の方がありがたいと。2万円の使い道は友達の車を運転している時にこすってしまった分の支払いとのこと。

私が本当に恐れていたもの

お金を貸してくれと言われた当初、喜びにも似た感情があったと言いました。それは本当です。私は私が大切に思っている人から頼られたら自分にできる事であれば全力で応えたいと思っています。それが今回はお金だっただけで、力仕事であったり、ただ話を聞くだけのこともあります。
追加の借金を要求されたときに、手渡しではなく振り込みでと言われたことを彼女に伝えると「それは借りる側の態度としておかしい、本当に必要なら直接会いに来てお願いに来るべき。」返す言葉もありませんでした。
事情は理解できたので、言いたいことは言ったうえで今回までは振り込みました。
私は本当に何も考えずにお金を貸していたんだと気づかされました。確かに私が借りる側と考えたら振り込みでお願いしたいなどとは絶対に言わないし、遊びにお金を使いすぎたから返済を遅らせることはしないなと思いました。もやっとした感情が段々と言語化できていました。そして私が本当に恐れていたものの正体も。
それは’’後輩にとって私の存在の大切さ’’です。さらに言えば私+後輩も関わりを持つ私の周りの人間の大切さです。
これからもいい関係性でいたいと思えば何としてもお金は返ってくると思います。
例えばお金が返ってこなかった場合、信頼が一気になくなるのは後輩本人が一番分かっている事でしょう。お金を返していないという後ろめたさもあるので自然に関係性は遠のいていくと思います。
正直お金が返ってこないことはそこまでダメージはないです。普通に生活はできるので。それ以上に最悪返さないでもいいかと思われていたという事の方が私としてはダメージが大きいです。それだけ大した存在ではないという事を「お金」という物で示される気がして。それが怖かったんです。
そう思った時、とても悲しい気持ちになりました。ああ、俺ってそんなもんなんだ。。と。

お金と人間関係

’’金の切れ目が縁の切れ目’’とよく言いますが、そうなのかも知れないなと今回の件で思わされました。
後輩は6/31に返済すると言っています。(6/26日時点)なので返ってくる来ないはまだ分かりません。ですがたとえ返ってきたとしても今まで通りの関係性でいれるかは分かりません。一つ言えるのはもう絶対にお金は貸さないという事。今回はギャンブルという自分の問題で借りたことが大きいです。その人の為に何ができるかを考えた時に、困った時に頼られたらお金を貸すという選択肢は違うと思いました。もちろん理由にもよりますがよっぽどのことがない限りは貸さないと思います。
とは言え、今回の一件でとても学びがあったのも確かです。お金を貸すことで生まれた感情もありましたし、今までの人間関係が壊れるかもしれないという恐怖もありました。そして断る勇気も大事だと思いました。
求められればなんでもすればいいってものでもなくて、その人にとって何が一番ためになるのか、そう考えたら大切だからこそ断る事だってあるんだなと。
みなさんのお金を貸す時のスタンスはどのようなものですか?
最後までお読みいただきありがとうございました。

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