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移住理由は「あの人」。地元企業で続ける挑戦【後編】 

大学時代はさまざまな地域を訪れ、ボランティアやまちづくりに携わっていた山本源さん。1年間大学を休学し、知人が営む静岡県の蕎麦屋を手伝うなかで就職活動や将来について考え続けていました。

人生の選択肢の決め手は常に「人」。

山本さん:就活イベントや合同説明会に行くと、どの仕事もすごく楽しそうに見えるんです。でもそれでは行きたい会社が決められないので、人で決めようと思いました。これまでゼミの活動や休学期間中の過ごし方も「人」に導かれることが多かったので、“この人についていく”という選び方が僕にとっては良い方法ではないかと思いました。

そんな時に、僕が慕っている福井の人材会社の代表から「福井の会社に興味ない?」と声がかかったんです。これは良いチャンスだと話を聞いてみることにしました。

「尊敬できる人のもとで働きたいという思いも強かったですね」と山本さん

紹介されたのは、福井県最大のショッピングセンター
ラブリーパートナーエルパ」で
常任理事を務める佐々木国雄さん。
山本さんは第一印象から、
佐々木さんの熱い思いに圧倒されたといいます。

山本さん:最初にお会いしたのはオンラインでした。「僕はエルパだけじゃなく、福井を面白くしたい」と、もう画面越しから熱いんです(笑)。「福井には何もないからと若い子がどんどん県外に出ていくが、その状態を嘆くなら自分たちで福井にいたくなるようなまちを作ればいい」とおっしゃっていて、素直にかっこいいなと思いました。

佐々木さんの話す内容は、「えらくなりたい」「お金が稼げる」など自分のことよりも、会社や地域のこと。どうやったら福井が盛り上がるか、会社がちゃんと地域に喜んでもらえる場所になるかを2時間くらいずっと熱弁していました。その時は就職したいというよりも、シンプルにこの人に会いたいなと思って。そこで2週間、エルパでインターンをさせてもらうことになったんです。

山本さんが「福井にまた訪れたい」と思うきっかけになったエルパの佐々木さん(左)


地域の人の生活に溶け込むショッピングセンター。

インターン中はお客さんやスタッフなど
約100人にインタビューし、
エルパへの理解を深めていった山本さん。
地域のなかでのエルパの存在に
さまざまな発見があったといいます。

山本さん:いろんな人に「エルパってどんな存在?」と聞いてみたのですが、みなさん首を傾げるんです。「家族で行く」とか、「なんとなく」「雨が降ったら行く場所がないから」とか。エルパの印象的な思い出を聞いても「特にない」って言うんです(笑)。でも僕としては逆にそれが好印象で、これといった理由もないのになぜか足を運んでしまう場所ってすごいなと思いました。

ショッピングセンターの競合というと「イオン」などを思い浮かべますよね。でもエルパの競合は「公園」じゃないかなと思ったんです。天気が悪い時だけじゃなく、晴れの日にこそ来てもらいたいから。福井県民にとってエルパは商業施設というよりもパブリックな場所。生活の一部に溶け込んでいるんだということを、インターンの最後に発表させていただきました。

エルパで挑戦を重ね続ける。

東京で就職する選択肢に迷いつつも
「尊敬する人のもとでやっていきたい」
と確信した山本さんは、
2022年エルパに入社すると同時に
福井県福井市に移り住みました。

1年目は仕事を覚えることに注力し、
2年目の現在は、自分からもっと動いて楽しもうと決め
さまざまなアイデアをかたちにしています。

山本さん:入社直後からイベントの企画や広報業務などを任され、普通の新入社員じゃ考えられないほど成長スピードが早いなと感じています。

エルパには良いアイデアであれば年代問わず挑戦できる土壌があり、「新しいことはどんどんやっていこう、面白いんだったらやろう」という社風。自分が動けば動くほど楽しくなっていく手応えがありますね。もちろん提案してダメと言われる時もありますが、きちんとメリットをプレゼンできたら、上役や理事長などトップの方も若手のチャレンジを応援してくれるので、やりがいが大きいです。

各店舗を訪れスタッフの声を聞く山本さん。新しいアイデアにつながることも

山本さん:これまでの仕事で思い入れがあるのは2年目の夏に企画した「笑顔と泣き顔写真展」ですね。エルパには家族連れが多く、「子育てする親にもっと寄り添いたい」と思っていました。1から10まですべて自分で企画するのは大変でしたが、いろんな方に見ていただき、とても嬉しかったです。

泣き顔や笑い顔など、ありのままの子どもたちの姿を展示した写真展は好評だったそう

福井の「人」の魅力とは。

福井市で暮らし始めて2年目。
これまでさまざまな地域で過ごした山本さんですが、
福井にはほかの地域にはない
「人の距離の近さ」を感じるといいます。

山本さん:福井市のなかでもまちなかに住んでいるので、買い物する場所や食べる場所に困ることはありません。普段はもっぱら、仕事終わりに誰かと飲みに行くことが楽しみです。居酒屋やシェアハウスなど、どこかに遊びに行けば一気に数人と出会うことができるし、誰かと知り合いになればそこから葉脈のように交友関係が広がっていくんです。自分から出会いに行くというより、出会いが勝手にやってきちゃうのは福井ならではの良さですね。

交通の便や気候など、単純に都市部と比較すれば福井以外にも選択肢はたくさんあるかもしれません。だから安易に「福井においでよ」とも言いにくい(笑)。でも、「あの人がいるから」という理由で決めた僕の移住は、これでよかったなと思っています。


【取材協力】
ラブリーパートナーエルパ
https://lp-lpa.co.jp/


【移住のご相談はこちらから】
福井暮らすはたらくサポートセンター ( 福井Uターンセンター )
〒910-0858 福井県福井市手寄 1 丁目 4-1 AOSSA7 階
電話:0776-43-6295 ( 東京、名古屋、京都、大阪にも窓口があります)
Mail:fukui-utcenter@pref.fukui.lg.jp
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福井の各市町について
https://fukui-ijunavi.jp/city_and_town/index

福井県公式就職情報サイト「291JOBS」
https://291jobs.pref.fukui.lg.jp/


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