若狭の豊かな自然を活かしたものづくりを未来に、世界に広める【前編】
見出し画像

若狭の豊かな自然を活かしたものづくりを未来に、世界に広める【前編】

日本海をのぞむ若狭エリアでは、江戸時代から「若狭塗」や「若狭めのう細工」などの伝統工芸をはじめとした郷土工芸が発展してきました。しかし、後継者・担い手不足、職人の高齢化、ライフスタイルの変化により、変化を余儀なくされています。職人たちとともにこれらの問題に取り組み、若狭のものづくりを後世に伝えようとしているのが、今回の主人公である飛永なをさんです。

飛永なをさん
京都府出身。美術高校を卒業後、陶芸に携わる父親の影響で訓練校に通い、技術を習得。卒業後、福井県おおい町の陶芸施設で働くなかで、若狭のものづくりの発信の必要性を感じ、若狭エリアの職人10人で活動する「NPO法人若狭の空と海とものづくり」を設立。2019年には独立し、若狭町・熊川宿内に陶芸工房「若州窯(じゃくしゅうよう)」を立ち上げた。

自由に形を変えられる土に魅せられて

京都府内でも自然豊かな里山で育ったという飛永さん。
小さい頃からものづくりをして生きていきたいという思いを
持っていたそうです。

飛永さん(以下、飛永):将来のことはそんなに深くは考えていませんでしたが、人生のどこかでものづくりに関わりたいという思いはずっと持っていました。高校の時には染色を学んでいましたが、20歳になる少し前に陶芸をやっていた父親の影響で土にふれる機会があり、伸ばしたり積んだり、形を自由に変えられる面白さがあるなと思ったんです。そこから卒業後、京都にある陶芸の訓練校に通い、基礎を学びました。今でも父から地元の土を送ってもらうこともあり、陶芸を通じて交流があります。

「親がものづくりを仕事にしていたからこそ、その大変さもわかっていました」と飛永さん

訓練校を無事卒業した飛永さんでしたが、
いきなり独立するにはまだまだ…と思っていたそう。
そんな時、福井県おおい町にある体験施設で
陶芸スタッフの求人を見つけ入社することになります。

飛永:私が住んでいた場所は京都府でも北部の福井県との県境に近い場所だったので、県外に行くことに抵抗はありませんでした。もともと田舎育ちだから山が好きなんです。おおい町も山に囲まれた自然豊かな場所で、すぐに気に入りました。

入社したおおい町の「きのこの森」は特産品のきのこをモチーフにしたテーマパークで、館内にある陶芸館のスタッフとして作品を作ったり、陶芸や絵付け体験を教えたりしていました。「きのこなのになぜ陶芸?」と思われるかもしれませんが、「きのこの森」周辺では昔から「今谷(いまだん)焼」という焼き物が作られていて、古い窯跡が発見されたことから陶芸とも縁がある場所なんです。若狭エリアは鉄分を含んだ土が多く、素朴な味わいになるんですよ。

おおい町にある「きのこの森」。きのこの展示や自然散策、開放的な公園が人気で、休日になると多くの親子連れで賑わう

若狭ものづくりが直面する深刻な問題

「きのこの森」に勤めること18年経ったある時、
飛永さんは若狭エリアの工芸に携わっている作り手を集め、
子どもたちにワークショップをするものづくりイベントを企画することに。
そこで若狭の職人たちが抱え続けていたある問題に直面します。


飛永:若狭には伝統的工芸品として指定されている「若狭塗」や「若狭めのう細工」をはじめ、若狭パールや組子細工、ガラスなど、さまざまな郷土工芸があります。ものづくりに関わる職人はたくさんいますが、いずれも小規模で細々と作っている方が多く、ライフスタイルの変化によって以前よりものが売れなくなることに危機意識を持っていたり、後継者不足に悩まされていたりと、みなさん課題を抱えていました。

画像1
伝統的工芸品の一つ、若狭めのう細工を手がける職人は激減し、今や一人となってしまった

若狭のものづくりの未来のために

それぞれの職人が抱える深刻な状況を目の当たりにした飛永さん。
このままではこの地域のものづくりはどんどん廃れていってしまう…
そんな思いからあることを決心します。

飛永:私はこれまであまり責任のない中で自分のつくりたいものをつくり、売れなくても給料がもらえる環境に身を置いていました。当時は定年までこの仕事を続けようと思っていたけど、みなさんと出会ったことで、何か私にもできることがあるんじゃないかなと思ったんです。

そこで、若狭エリアのものづくりの存続のため、職人同士が経験やアイデアをシェアしていくためのNPO法人を立ち上げることを考えました。さらに18年勤めた仕事を退職して私も陶芸家として独立し、ともに若狭のものづくりのこれからを考えることにしたんです。

ーーー
若狭エリアの作り手との出会いをきっかけに、陶芸家として新たな一歩を歩み出した飛永さん。後編では、若狭の職人たちとともに立ち上げたNPO法人の取り組みや、飛永さんの工房がある熊川宿について伺っていきます。

※記事の内容は取材当時のものです。

若州窯
住所:福井県三方上中郡若狭町熊川21-8
http://www.jakusyu.com/


【移住のご相談はこちらから】
福井暮らすはたらくサポートセンター ( 福井Uターンセンター )
〒910-0858 福井県福井市手寄 1 丁目 4-1 AOSSA7 階
電話:0776-43-6295 ( 東京、名古屋、京都、大阪にも窓口があります)
Mail:fukui-utcenter@pref.fukui.lg.jp
https://fukui-ijunavi.jp/contact_us/window

福井の各市町について
https://fukui-ijunavi.jp/city_and_town/index

福井県公式就職情報サイト「291JOBS」
https://291jobs.pref.fukui.lg.jp/


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
誰かの暮らしにふれるローカルマガジン ハイタッチ!
「ハイタッチ!」とは、福井県で自分らしくイキイキ暮らす人を紹介し、さまざまな暮らし方・働き方、そしてこれからの生き方を発信するローカルマガジンです。 【ハイタッチ!公式ホームページ】▶︎http://hi-touch-fukui.jp/