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「意識すること」の大切さ

みなさんこんにちは。トレーナーの石山です。
今日はトレーニングについて大切なことを書きたいと思います。
カラダを鍛えるときに重要なことをお伝えできればなと思っていて
特に育成年代の選手には伝えたい内容です。

まずは下の絵を見てください。

ポール・セザンヌ / メトロポリタン美術館

この絵を見て、どこに目が行きましたか?
お皿の上の果物?
1つだけ離れたレモン?
それとも青い花瓶?机?青いシーツ??
それとも、緑?枝?模様??

「見る」という動作は誰でも同じ行為ですが、
どこに注意しているか、注目しているかは人それぞれです。

例えば「木の枝」を注目してみてみましょう。
何か木の実みたいなものが3個ついていますね。
これは何の果物でしょう?それとも木の実?
枝の下には植木鉢がある(はず)?
枝の上には葉っぱはある?花がある?


ピカソ/白い服の女

例えば「腕立て伏せ」のトレーニング1つにしても、
「どこを意識するか」でそのトレーニングの質は変わってきます。
何も考えずに100回行うよりも、意識して10回行う方が、よっぽど効果的です。
スタジオで指導する場合に、
この「意識してもらう」ことを重要視していて、
専門的な用語ではなく、ちゃんと選手に伝わるわかりやすい言葉や比喩を使って伝えています。

腕立て伏せで、上腕ばかりを意識している選手がいたら、
お腹に力をいれてみたらどう?
胸を上に押し上げるように胸を意識したらどう?
自分の胴体をかまぼこの板とイメージして上がればどう?かまぼこの板は曲がらないよね?
目線は手と手の間を見てはどうだろう?

などと、筋肉や動作、動きを意識させる声掛けをすると、
選手は着目点が変わります。
今まで「レモン」をみてばかりいたのが「花瓶」をみるようになるのです。
つまり、先ほどの木の枝に例えると、「何の実(なすび)」が付いているかがわかってくるのです。

モネ/睡蓮

では、「なすび」が付いているのが理解できた=「その筋肉や動作を意識する」ことはできるようになりましたね。

しかしトレーニングは、その競技のパフォーマンスをあげるためにおこなっています。
つまり「このトレーニングは競技のどの動きに活きてくるか」をティーチィングしてあげないといけません。

「この腕立て伏せは、バスケットボールのシュートモーションにおける体幹の安定性と3Pシュートが打てる上半身の出力をあげるためのトレーニングです」と目的&実際の動きをイメージしてもらうことが大切です。


ゲンナジー・ペトロヴィチ・グリシン/バスケットボール

先ほどの絵画だと「なすび」(このトレーニングのポイント&目的)は理解できるようになると思います。
フィジカルトレーニングでは、ここまでの「意識を持って」取り組んでもらうと効果が高く出ると思います。
その後、体に無意識化するまで落とし込み習得していきます。
(無意識化の話はまた書きたいと思います)

習得ができたなと思ったら、次は実践にいかすトレーニングも必要になってきます。
先ほどの絵画だと、
枝の下に植木鉢があるのかどうか?
枝の上に葉っぱや花はあるのか?
を次は意識してもらうようにします。

バスケットボールに戻します。
3Pシュートを打った後の、「着地」はどのようにしておこなうか?
またシュートが入らなかった場合の動きはどうしたら良いか?
その場合の身体の動かし方はどうしたら良いか?

など、現時点では見えていない「未来の予測」を
イメージしてもらうのです。

イメージできれば、どのようなフィジカルトレーニングが必要で、どのような技術練習が必要なのかが選手自身でわかり始めます。
その選手自身から湧き出た「?」をくみ取り、最適なトレーニングを提案または還元していくことがトレーナーの役目だと私は思っています。

アレクサンドラ・パヴロヴナ・ボリソワ/BASKETBALL

その一連の動作を「意識した」流れのトレーニングを進めていくことが試合中のパフォーマンスアップにつながっていくと思います。

ぜひ選手の皆様にはトレーニング時から
「意識することの大切さ」を知っていただければいいなと思っています。
「このトレーニングは競技のこの部分に役立つ」
「この動きが上手くいけば相手をかわせる」
「ここまでジャンプできれば試合で有利になる」

ぜひ、「試合での自分の動きをイメージ」して日ごろのトレーニングに取り組んでくださいね。

それが試合での「無意識化」につながります。

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