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薄霧の中で #00はじめに
なぜ、こうして言葉を残そうとしているのか。
建前を言えば、子どもたちのため。
パパの最期の日々を。
そうすることで、いかに愛されていたかを伝えられるのではないか、そう思った。
もうひとつは、自分の気持ちの整理なのだろう。
まだわからない。
なぜ自分があの日々を進んでいけたのか。
なぜ今こうして、笑って、普通に生きているのか。
言葉にしたところで、
子どもたちのための言葉にも、自分の気持ちの整理にもならないかもしれない。
それでも、書いてみようと思う。
まるで、薄く霧がかった中を手探りで進むかのような、進むしかなかった、あの日々を。
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