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『近藤喜文展』行ってきました。

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昨日、『近藤喜文展』へ行ってきました。

今日はその感想を書きます。

まず、近藤喜文監督の紹介から……。

近藤喜文監督(1950-1998)は、新潟県五泉市に生まれ育った日本屈指のアニメーターです。高畑勲監督の「赤毛のアン」「火垂るの墓」など、日本のアニメーション史に残る作品で作画監督やキャラクターデザインを務め、唯一の長編監督作品「耳をすませば」で大成功を収めましたが、1998年1月に47歳の若さで急逝しました。

スタジオジブリの後継者問題という話があります。

高畑監督、宮崎監督につづく後継者がなかなか生まれないという問題です。僕はこの問題の一番の原因は近藤喜文監督の若すぎる急逝しにあると考えています。

近藤喜文監督がご存命であればこのような問題は出ていなかったのではと思うのです。

それほどまでに近藤喜文監督は高畑、宮崎両監督から信頼された存在でした。

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「感じの出る絵、感じを出す動き、それを描き出せる人、
それがぼくにとっての近ちゃんでした。」

——— 高畑 勲

「僕が出会った何百人ものアニメーターの中でも、
屈指といっていい感じの仕事をする、腕の良いアニメーターでした」

——— 宮崎 駿

(※両監督共に、近藤喜文氏の告別式での弔辞より一部抜粋)

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トトロと火垂るの墓が制作される時、両監督が近藤喜文というアニメーターを取り合ったというのはとても有名な話です。

大監督2人が取り合うほどのアニメーターだったということです。

まさに、『天才アニメーター』だったのでしょう。

鈴木さんは近藤喜文監督が描く絵について、ラジオ内で語っていたことがあります。

『近ちゃん(近藤喜文)の描く絵と宮崎監督が描く絵の決定的違いが1つある。それは、近ちゃんの描く絵が現実に忠実であることだ!』と言っていました。

つまり、宮崎監督が描く絵は漫画絵でありデッサン的な狂いがある※素人目には分からないレベルの狂い。

しかし、近藤監督の絵はデッサンが忠実で狂いなく描かれているのだそうです。

しかし、漫画的表現については宮崎監督の方が上手い。

その宮崎監督の下で漫画的表現を学び、そして天性のデッサン力の両方を兼ね備えてアニメーターとなったのが近藤喜文なのだと話していました。

だから、近藤喜文は最高のアニメーターなのだと……。

そんな日本が生んだ最高のアニメーターである近藤喜文監督の絵がこれでもかと展示された展示会に行ってきたというわけです。

前文長くなってしまった(^_^;)。

僕が『近藤喜文展』で感じたことは大きく2つです。


『うますぎる絵』

当たり前なのですが、とにかく一枚一枚の絵が上手い。

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今回の展示では、近藤喜文監督が関わったアニメーションの仕事を振り返り、原画やイメージボード、スケッチなど約500点の作品をみることができます。

その1つ1つの完成度がもう溜息の出てしまうような完成度で言葉になりませんでした。

カラーのイラストやポスターなどの絵だけではなくラフスケッチや習作と書かれてたプレートと一緒に展示されている作品たちが沢山ありました。

『これが……習作なの?』と声を漏らしてしまいました。

近藤監督にとっては習作に過ぎない絵なのでしょう。しかし、それらの絵はもはや習作の域を飛び越え一つの作品として完成していたと僕は感じました。

『これがジブリを支えたアニメーターの絵なんだ』と感動しました。


『一人の人間がこんなに絵を描けるのか!?』

2つ目が、圧倒的仕事量です。

先ほども描きましたが、近藤喜文監督が関わった原画やイメージボード、スケッチなど約500点が展示されていたわけですが……。

忘れてはいけないのは、ここにある作品は一部であるということです。

つまり、500点なんて比ではないほどの作品を描いてきたということ。

壁一面に展示される作品をみながら考えました……。

『この量を生み出せることこそが才能だよな』と……。

1人の人間がこんなにも大量の絵を……しかも、このクオリティーで描けるということが信じられませんでした。

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もちろん、ジブブリスタジオなどのアニメーション以外にも絵を描いていた様でそれらの絵がまとめられた画集も作られています。

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近藤喜文の机が展示されていたのですが、一緒に紹介される言葉に全てが詰まっているなと感じました。

『絵が好きで絵をやりたいと思って、そのままアニメーターになっちゃったもんですから』ーー近藤喜文

好きな道を歩き続けた結果なのだと。ただそれだけなのでしょう。しかし、それが羨ましい……。

一生をかけてやり続けてもいいと思えるほどの好きなモノにいったいどれでけの人が出会えるというのでしょうか?

好きなモノがあるということのすごさを改めて感じました。

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今日は『近藤喜文展』について書かせてもらいました。

どうでしたか?

『近藤喜文展』のよさが少しでも伝わっていれば幸いです。

僕はすぐに影響を受けてしまうタイプなので、展示に行ってからテンションが上がってしまい大変なことになってます(^_^;)。少し落ち着かねば(笑)。

近藤監督のような素敵な絵は描けないけど、僕も一つでも多く作品を作っていきたいと強く思いました。

好きなモノをスキなようにのびのびと作っていこうと思います。

それでは今日はここまで、ありがとうございました。

※ジブリの展覧会行くとグッズ買い過ぎちゃうからヤバいんですよ‼ジブリの魔法にかかってしまう(^_^;)……未完。

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