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人の本心は本人にしか分からない

「すみれ荘ファミリア」凪良ゆう 講談社タイガ

 表紙に惹かれて、購入した本。作家である凪良さんは「流浪の月」の作者だと知っていましたが、「流浪の月」自体は読んでいませんでした。

 主人公はまさに良心の塊と思えるような男性で、実際に存在したら知らないうちに犯罪の被害者になってそうな人です。私は、普段感情移入しやすいからなのか女性を主人公とした小説を読むことが多かったのですが、「すみれ荘ファミリア」は男性主人公でも物語に惹き込まれていきました。

 下宿すみれ荘が舞台となる物語で、住人の持つ悩みや闇が描かれている作品でした。そして、人はみんな表では笑っているけれど、裏では想像できないような闇も存在することを物語として改めて教えてもらいました。そして、愛は優しい感情だけでなく時として人を傷つける感情へと変化してしまう感情だということも。

 題名からは想像できない流れでしたが、主人公とその弟とのやりとりから心温まるような雰囲気も味わえます。


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