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からだと思考の「野生化」

 今の自分にとっての課題は、「自然と親しむ」ことです。
少し言い換えると、自分を「野生化」させること。都会で生まれて育ち、「文明化」されてしまった、自分の身体と思考を「野生化」する計画です。

 小さい頃の朝ごはんで好きな食べ物として忘れられないのが、まず「桜でんぶ」。
ご飯にたっぷり載せれば、お菓子みたいに甘くなる。ピンク色の誘惑は子どもも魅了したのです。それから、熱々のご飯を平らにして、バターを溶かして醤油をかける。これもかなり美味しい。もちろん身体に悪い。

 思考の「文明化」は学校教育。フーコーを出すまでもなく、「規律化」です。校則・廊下に正座・往復びんたなどなど、子どもを委縮させる大道具・小道具ばかり。

 大学時代に父親の前で文明社会を批判したら、よく「大八車の時代に戻れって言うのか。」と叱られた。父が若い頃は九段坂を「大八車」で荷物を運ぶ光景が見られたらしいです。ちなみに私が小学生の頃もリヤカーがあちこちで使われていました。

 「自然に親しむ」「野生化」する方法をしばらく模索していきたいと思っています。

 もちろん、文明社会のすべてを切り捨てることはムリです。できる範囲で「野生化」する。だから「自然に親しむ」という曖昧なラインでいいと思っています。

 今、都心のわりに緑が残り、町もゆったりした雰囲気がある谷中に住んでいます。ベランダではメダカを飼い、プランターで野菜も育て、収穫の楽しさを堪能しています。陶芸が好きで、たまに一輪挿しやまぐカップを作っています。年とともに自然に触れることが心地よくなってきました。

 柳宗悦は「自然に則る生き方」を「民藝」だと書いています。いま若い人も含めて、民藝がもつ思想や生き方が広がっています。焼き物ももとは土ですから、器を手で楽しむという感覚は自然に親しんできた日本人ならではだと思います(欧米人はハグすることで信頼を実感しますが、日本人はモノに触れることで生の実感を感じているようです。でも大昔は日本人もハグしていたかも。いつからお辞儀になったのかな)。

 都会でできる範囲で自然に親しんでいるのですが、身体と思考をもう一歩「野生化」したいと考えているのですが、次は地方暮らしという可能性を考えているところです。

 「仕事はどうするの?」

 現実的な話になると、すぐにブレてしまう自分ですが、次の方針はしっかり守りたいと思っています。

 それは、「生きることそのものに近い仕事」をすることです。

 家事が苦手ではないので、家に居ながら仕事をする。そうすると、食堂とか、カフェかな、と考えています。でも、ありきたりの店では人は来てくれない。プラス・アルファが大切ですね。

 食べることは好き。コーヒーも好き。器も好き。本も好き。視野が広がることが好き。時々一人、時々人と話すのが好き。草花が好き。

 うーん。ここから何が出てくるか。自分を閉じないで、日常の美しさを楽しむ。それを人と共有する。そんな暮らしかな。

 つづく…

 

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